SSブログ

テーラーの定理とテーラー展開、マクローリン展開 [ネコ騙し数学]

第10回 テーラーの定理とテーラー展開、マクローリン展開

 

定理 テーラーの定理

関数f(x)は閉区間[a,b]n−1回連続微分可能、開区間(a,b)n回微分可能ならば

  

となるcが少なくとも1つ存在する。

[証明]

  

となるようにKを定め、

  

とおくと、F(a)=F(b)となる。

F(x)[a,b]で連続、(a,b)で微分可能であり、F(a)=F(b)だからロールの定理よりF'(c)=0 となるca<c<bに少なくとも1つ存在する。

F(x)を微分すると、

  

したがって、

  

(証明終了)

 

n=1とすると、平均値の定理が得られる。

極値の判定などで重要なn=2のときは以下のようになる。

  

b=xと置き、(1)式を書き直すと

  

となり、Lagrange(ラグランジュ)の剰余項という。

f級ならばすべての非負の正数nについて(1)は成り立ち、

  

である点xでは

  

となり、この級数をx=aまわりのテーラー級数という。

特に、a=0のときに得られるx=0まわりのテーラー級数

  

マクローリン級数という。

 

以下に代表的なマクローリン級数を示す。

  

 

関数f(x)

  

とべき関数の級数として展開されるとき、これはテーラー展開(マクローリン展開)に他ならない(テーラー展開の一意性)ことが知られている。

だから、

  

x=–tを代入すると、


  

になるので、のマクローリン級数を

  

と求めることができる。

同様に、

  

と、のマクローリン級数を利用してのマクローリン級数を簡単に求めることができる。

 


タグ:微分積分

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。