関数の凸凹に関する問題 [ネコ騙し数学]
関数の凸凹に関する問題
問題1 関数f(x)は、開区間Iで2回微分可能、かつ、f''(x)>0とする。曲線y=f(x)は、Iで常に接線の上側にあることを証明せよ。
[解]
aを開区間Iの任意の点とすると、(a,f(a))における接線の方程式は
である。
平均値の定理より、
であるcがaとxの間に存在する。
よって、
Iでf''>0だからf'は単調増加。
したがって、x<aのとき、
x>aのとき
x=aのときF(a)=0。
よって、曲線y=f(x)は接線の上側にある。
(解答終了)
[別解」
f''(x)>0だから、f'(x)は(単調)増加関数。
よって、x<aのときf'(x)<f'(a)よりF'(x)<0で減少、x>aならばf'(x)>f'(a)でF'(x)>0で増加。
したがって、F(x)はx=aのときに極小で最小となり、
よって、曲線y=f(x)は接線の上側にある。
(別解終了)
微分積分の教科書や高校の参考書の中には、
「関数のグラフ上の点Pの近くで、そのグラフが点Pの上側にあるとき、グラフは点Pで下に凸、グラフが下側にあるとき、グラフは点Pで上に凸であるという」
といった関数の凹凸の定義を採用しているものもあるようです。
問題2 関数fを区間Iで定義された二回微分可能な凸関数とする。f'(x)>0(x∈I)ならば逆関数f⁻¹は上に凸(凹)であり、f'(x)<0ならば下に凸であることを証明せよ。
[解]
x=f⁻¹(y)とすると、y=f(x)。
関数fが区間Iで下に凸のとき、f''(x)=y''≧0だから、関数fは、f'(x)=y'>0ならばとなり上に凸(凹)、f'(x)=y'<0ならばとなり下に凸である。
(解答終了)
問題3 f(x)=ax²+bx+c(a>0)について、次の不等式が成り立つことを証明せよ。
f'(x)=2ax+b、f''(x)=2a>0 (∵a>0) だから、f(x)は狭義凸関数。
A(x₁,f(x₁))、B(x₂,f(x₂))、C(x₃,f(x₃))とすると、f(x)は狭義凸関数なので、線分AB、BC、ACは曲線y=f(x)のグラフの上側にある。
とすると、これは△ABCの重心で、△ABCの内部にある(図を参照)。
したがって、
(解答終了)
何でも数式を使って証明すればいいというものではないだろう。このように図形を利用した解法もありではないか。
問題2では、f(x)=ax²+bx+c(a>0)と2次の項が正である二次関数ですが、これはf''(x)>0であれば、狭義凸関数ならば成り立つ不等式。
2次関数に限定せず、より一般的に解いたというわけ。
しかし、こうした図的な解答は数学的でないという批判が出るかもしれないので、別解を。
[別解]
f(x)は狭義凸関数。
よって、
したがって
(解答終了)