「微分方程式の解法のまとめ3」の気持ち悪さの解消 [ネコ騙し数学]
「微分方程式の解法のまとめ3」の気持ち悪さの解消
微分方程式の解法のまとめ3の問の(4)の特殊解が、【解】で求めた
と、別解で求めた特殊解
とでは違う。
これでは、なんとも気持ち悪い、目覚めが悪いので、なぜ、この違いが出てきたのか、少し考えてみることにする。
問の(4)の特殊解の求め方は
である。
しかし、の計算順序を次のように変更すると、
となる。
つまり、計算の順序、微分と積分の(計算)順序によって、この計算の値が変わってしまうんですね〜。
また、この計算は、微分を含むことなく積分のみで
と計算することもできる。
積分の順序を換えると、
となり、同じように、積分の順序によっての値が変わってしまう。
ところで、
は、微分方程式
の特殊解と考えることもできる。
実際、この微分方程式の左辺に上で求めたとを代入すれば、
となり、ともに上の微分方程式(1)の解である。ここで、cは0または1である。
そして、上の計算からcが0、1以外の定数であっても成り立つことがわかるだろう。
また(1)は、とおくと、
と書き換えることができる。
(2)の両辺にをかけると、
よって、
ここで、C₁、C₂は任意定数。
C₁=0、C₂=0、−1とおくと、特殊解とが得られる。
だから、計算の順序でがとと変わったとしても、これは必ずしも矛盾した話ではない。
(1)の右辺を0とした同次方程式
の特性方程式は
となるので、同次方程式の基本解はで、一般解は
となる。
これに特殊解を加えると
を加えると
ここで、C₂−1をあらためてC₂とおけば
と、(3)式と同じになる。
だから、の計算法によって得られた特殊解の違いは深刻なものではないというわけ。