一般の完全形 [ネコ騙し数学]
一般の完全形
n階微分方程式
の左辺の関数Fがの、ある関数Gの導関数であるとき、つまり、
であるとき、この微分方程式は完全形であるという。
また、
が完全形であるとき、λをFの積分因子という。
問題 次の微分方程式の積分因子を示し、積分により解けることを証明せよ。
【解】
(1) y'は積分因子。
両辺に2y'をかけると
また、
となるので、
したがって、
よって、一般解は
【別解】
とおくと、微分方程式は
と変形が可能。
したがって、
以下、省略
(別解終)
(2) が積分因子。
微分方程式の両辺に積分因子をかけると、
だから、
したがって、
(解答終)
これらはあくまで形式的な解です。
たとえば、(1)のという不定積分が求められる――初等的な関数であらわすことができる――とは限らないし、まして、
はなおのこと。
だから、解けるのは、次のようにP(y)がごくごく簡単な関数に限られる。
P(y)=−yだから、
c₁>0のとき、
で、とおくと、
となり、物理の単振動の方程式が得られる。
物理の力学の教科書などでは、こうした解法が取られることが多いようである。
しかし、⑨の一般解解は、特性方程式
から、
と簡単に求めらることができる。
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