テンソルの実例 [ネコ騙し数学]
テンソルの実例
慣性テンソル
剛体が原点Oのまわりを一定の角速度ωで回転しているとする。剛体内の点Pの速度をv、とすると、
である。
剛体の密度をρとすると、微小部分dVの角運動量dLは
したがって、剛体全体の角運動量は
である。
ここで、
とおけば、
ゆえに、
ここで、
さらに、
とおけば、
となる。
任意の角速度ωに対して、常に、Lはベクトルであるから、はテンソルの成分である。
クロネッカーのデルタ
を用いれば、慣性テンソルの成分は
とあらわすことができる。
慣性テンソルの対角成分
は、それぞれ、x¹、x²、x³軸のまわりの慣性モーメントと呼ばれ、
は相乗モーメントと呼ばれる。
また、慣性テンソルの不変量
を慣性モーメントと呼ぶ。
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