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第15回 ベクトル場の微分 [ネコ騙し数学]

第15回 ベクトル場の微分

 

ベクトル場をとし、で偏微分して得られる9個の関数

  

はテンソルの成分である。これをベクトル場偏微分係数という。

 

【2次のテンソルであることの証明】

直角座標の変換

  

によって

  

になるとする。

(2)の両辺をで偏微分すると、

  

ここで、

  

だから、

  

したがって、はテンソルである。

(証明終)

 

 

をスカラー関数とすれば、はベクトルである。したがって、は2次のテンソルである(※)。

また、φが2回連続微分、すなわち、級であるとき、

  

が成立するので、は対称テンソルである。

 

例 ベクトルの発散

  

は、2次のテンソルを縮約したものだから、2−2=0次のテンソル、すなわち、スカラーである。

また、テンソルの対称成分は、

  

の反対称成分は

だから、はベクトルの成分。

よって、

  

とおき、ベクトルvwで表せば、

である。

 

(※)

だから、

  

となり、はベクトル(1次のテンソル)。

ここで、

  

とおけば、

  

が2次のテンソルであることが示される。

 

問 をスカラー関数とするとき、

  ten15-001.png

がスカラーであることを示せ。

【解】

  ten15-002.png 
は2次のテンソル。

(4)は、i=jとして、これを縮約したものだから、2−2=0次のテンソル、すなわち、スカラーである。

(解答終)

 


タグ:テンソル
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