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材料力学のお話2 [ネコ騙し数学]

材料力学のお話2

 

zai2-fig-001.pngΔx₁Δx₂の微小要素を考える。

このとき、直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルTの成分

  

となる。

直交座標系O-x₁x₂を原点Oを中心に反時計回りにθ回転させた直交座標をO-x'₁x'₂をとすると、x'₁軸、x'₂軸の方向余弦は

  

だから、

  

とおくと、座標系の変換によって応力テンソルの変換式は

  zai2-001.png

となる。

したがって、

  

になる。

 

問1 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが

  

であるとする。

原点を中心に座標軸を反時計回りにθ回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。

【解】

  

(解答終)

 

問2 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが

  

であるとする。

原点を中心に座標軸を反時計回りに45°回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。

【解】

  

(解答終)

 

問2のように、単純せん断応力の場合、軸を45°回転すると、応力テンソルからせん断応力を消すことができる。

 

のとき、応力テンソルの成分は

  

したがって、となるように、

  

θをとれば、は応力テンソルの主応力(主値)になる。

また、主応力は、次のように、行列(テンソル)の固有方程式を解くことによて求めることができる。

  

よって、主応力をσ₁σ₂とすると、

  

となる。

 

せん断応力の絶対値が最大になるとき、その最大せん断応力主せん断応力)といい、主応力σ₁σ₂を用いると、

  

で与えられる。

 

問3 σ₁₁=2+√2σ₂₂=2−√2σ₁₂=√2のとき、主応力とその方向を求めよ。また、最大せん断応力を求めよ。

【解】

(6)より、

  

また、主応力は(7)より

  

よって、(8)より最大せん断応力は

  

である。

(解答終)

O-x₁x₂に対し角度θだけ傾いている(仮想的な)断面に作用する垂直応力σ'とせん断応力τ'は、この断面の垂直なベクトル、すなわち、法線ベクトル(直交座標系O-x'₁x'₂での成分であることに注意!!)

  

に、(3)〜(5)で与えられる成分をもつ応力テンソルを作用させることにより、次のように求めることができる。

  

このθを消去すると、

  

これをモールの応力円という。

 

Mohr-stress-circle.png問3の場合、モールの応力円は

  

となり、これを用いて、主応力、最大せん断応力を求めることもできる。

 


タグ:テンソル
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