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有限要素法の選点法で、2階常微分方程式の境界値問題を解く [ネコ騙し数学]

有限要素法の選点法で、2階常微分方程式の境界値問題を解く

 

問題1 次の微分方程式の解を求めよ。

  fem1-001.png

【解】

この微分方程式の特性方程式は

  

したがって、この微分方程式の基本解はだから、一般解は

  

である。

境界条件より

  fem1-010.png

これを解くと、

  fem1-002.png

したがって、

  fem1-09.png

(解答終)

 

これを差分で解くのは芸がないということで、有限要素法選点法を用いてこの微分方程式を解くことにする。

それに先立ち、問題の微分方程式を

  

と置き換え、問題の微分方程式をzの微分方程式に書き換えると、

  fem1-003.png

になる。

こんとき、この微分方程式の境界条件は

  

となる。

そこで、この境界条件を満たす関数

  

を近似解と仮定するケロ。

そこで、(2)のzuに置き換えた

  fem1-004.png

を残差と呼ぶことにする。

もしuが(2)の解であれば、残差は0。しかし、(3)は(2)の解ではないので、R≠0である。

ここで、

  

となるように重み関数w(x)を調整し、(5)の積分の値が0になるようにする。

そして、(5)を満足する(3)を微分方程式(2)の近似解としようじゃないか。

 

この重み関数にδ関数

  

なるナゾの関数を採用し、(5)の積分を行うと

  

 

になる。

 

さてさて、

  

したがって、

  

x₀=1/2とすると、(6)より

  fem1-005.png

senten-1.pngだから、

 

で、

  

だから

  

に違いない。

 

赤線が厳密解の

  

青線が

  

この微分方程式に関する限り、厳密解との差は殆どないという驚きの結果が得られる。

 

1/3を選点x₀に選ぶと、

  fem1-006.png

したがって、

  

よって、

  

 

senten1-002.png

 

この微分方程式の場合、1/2にとったほうが1/3にとったほうが精度がよいことが分かる。

 

このように微分方程式の解を求める方法を選点法という。

 

問題2 次の微分方程式を解け。

  

【解】

同次方程式

  

の特性方程式は、

  

したがって、同次方程式の一般解は

  

特殊解y₀

  fem1-007.png

したがって、この微分方程式の一般解は

  

である。

境界条件x=0のときy=0より

  

x=1のときy=0より

  

よって、

  

(解答終)

 

この微分方程式の場合も同様に

  

とおくと、

  

となる。

そこで、x=1/2にとると、

  fem1-008.png

したがって、

  

 

senten1-003.png

 

粗い近似だから合うほうがおかしいケロよ。そこで、精度をあげる方法を考えることにするにゃ。

 


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