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第31回 置換積分2 [ネコ騙し数学]

31回 置換積分2

 

12回の「三角関数の微分など(青い部分をクリックするケロ!!)」で合成関数の微分というものをやったケロ。

関数f = f(x)x = φ(t)が微分可能であれば、その合成関数f(φ(t))は微分可能で
第31回 置換積分2_htm_m42d83548.gif
というのをやったケロ。

で、この合成関数の微分を元にして、第20回で置換積分(何度同じことを言わせる!!クリックするケロ)というのもやったにゃ。
置換積分の公式は、
第31回 置換積分2_htm_64db1962.gif

あるいは、
第31回 置換積分2_htm_m2c186050.gif

だケロ。

 

であるならば、
積分区間の限界a = φ(α), b = φ(β)のとき、、

第31回 置換積分2_htm_1be03d93.gif
になるんじゃないかという話ですにゃ。


定理

Ⅰ a≦x≦bを含む区間c≦x≦dでf(x)が連続

Ⅱ φ(t)φ'(t)α≦t≦βで連続で、c≦φ(t)≦d かつφ(α) = aφ(β) = b

のとき、

第31回 置換積分2_htm_1be03d93.gif

この定理の証明は、

とおけば、

第31回 置換積分2_htm_25f958b5.gif

となり、F(φ(t))F(φ(t))φ'(t) の原始関数。

また、α≦t≦βf(φ(t))φ'(t) は連続なので、f(φ(t))φ'(t)連続となり積分可能
よって、
第31回 置換積分2_htm_56e03d5b.gif

仮定より、

F(b) – F(a) = F(φ(β)) – F(φ(α))    (∵ b = φ(β), a = φ(α))

さらに、

より、

第31回 置換積分2_htm_1be03d93.gif

一応、証明はしたけど、証明の中身は分からなくていいケロ。

大切なのは、結果の
第31回 置換積分2_htm_1be03d93.gif

だにゃ。

証明したので、安心してこれを使えるにゃ。



具体的な計算法

積分は計算が面倒なので、

第31回 置換積分2_htm_m7eb3d27.gif

を例に説明するにゃ。

t = 2x + 1と置くと、

積分区間の限界は

x = 0 のとき、t = 2×0 + 1 = 1

x = 1 のとき、t = 2×1 + 1 = 3

となるケロ。

t = 2x + 1だから、これをxについて解けば、x = φ(t) = (t – 1)/2となり、

dx/dt = φ'(t) = 1/2

よって、①より

第31回 置換積分2_htm_405d3f23.gif

いやまぁ~、こんなのは置換積分を使うまでもなく、

第31回 置換積分2_htm_1fd7c1ac.gif

と計算したほうが楽でしょうけれど・・・。

 

ですが、

第31回 置換積分2_htm_m7d262103.gif
となると、すこし事情が変わってくるケロ。

もちろん、
不定積分の置換積分を使って、

次の原始関数を求めて

第31回 置換積分2_htm_55d199e9.gif

これから、

第31回 置換積分2_htm_43d44ede.gif

としてもいいけれど、

どうせ置換積分を使うならば、

第31回 置換積分2_htm_2be1f527.gif

とした方が楽だケロ。

 

しか~し、定積分の計算の有り難味が出てくるのは、こんな計算じゃ~ない。

 

【例題1】 次の計算をするケロ。

第31回 置換積分2_htm_m6e73527f.gif
【解答】

x = asint (0 ≦ t ≦ π/2) と置くと

x = 0, t = 0x = a, t = π/2となる。

第31回 置換積分2_htm_m38dbbaf3.gif

で、ねこ騙し数学公式集(悪いことは言わない、クリックするケロ!!)の倍角公式を見ると、

第31回 置換積分2_htm_2c36e4c8.gif

だから、

第31回 置換積分2_htm_648c9c7f.gif

だから、

第31回 置換積分2_htm_350b58c.gif

となるケロ。

 

実は、これ、円の面積の1/4

というのは、
原点を中心とする半径rの円は

第31回 置換積分2_htm_5531e506.gif

だから、

第31回 置換積分2_htm_m55b0e945.gif

となるけるケロ。

第31回 置換積分2_htm_593f17e4.gif

というのは、円を4分割した一つとなる。この定積分は、yとx軸、x=0, x = a で囲まれた面積だから、この積分は4分割された半径aの円の面積を求めたことになる。

つまり、
小学校で習った謎の公式、オマジナイ

円の面積 円周率×半径×半径
が今ここで証明された!!

ということはだよ、
こんな面倒な計算をすることなく、

下の積分を見た瞬間に

第31回 置換積分2_htm_6979ec48.gif

と書いてもいいってことだケロ。

大学入試でも、計算問題以外では、まず減点されない!!

 

実は、

第31回 置換積分2_htm_mfd10a16.gif

の原始関数は、原始関数の表に書いてあるので、これを使うという手もあるケロ。

ネムネコは、思いつきで、原始関数の表(仏の顔も三度までというぞ。クリックするケロ)や三角関数の公式をアップしたんじゃ~ない。

これには深い理由があったんだケロ。

だ・か・ら、

この表を見た奴は、ネムネコに足を向けて眠れなくなる、と書いたんだケロ。
読者の便益をはかるように、頑張ってんだ、ネムネコは。

 

言っておくけれど、

第31回 置換積分2_htm_e866e0.gif

とかは、x = sin(y) とかの逆関数のことだからね。
第31回 置換積分2_htm_70db3358.gif

という対応関係にある。
初等関数の微分の表と原始関数の表を見るときは、この点だけは注意して欲しいケロ。
―――クリック、クリック、クリック!!―――
 

では、次の問題。

 

【例題2】 次の定積分を求めるにゃ。

第31回 置換積分2_htm_4a962cff.gif

【解答】

x = tan(t) (0 ≦ t < π/2) と置くと、
積分区間の限界は

x = 0のとき t = 0

x = 1のとき t = π/4

となる、

第31回 置換積分2_htm_480ad3e1.gif

ここで、

第31回 置換積分2_htm_777c179.gif

を使っています。

第31回 置換積分2_htm_mb6c6270.gif

三角関数の公式に書いておけば良かったかな・・・。

第31回 置換積分2_htm_m7e6ff38a.gif

tanθの定義みたいなもんだし・・・。
 ―――ひとつひとつ丁寧にリンクを貼り付けるのも大変なんだ。一度でもクリックしたケロか?―――

 

で、tanθ = 1 になるのは、sinθ = cosθの時だから、0 ≦ θ < π/2とすると、θ = π/4(rad) = 45°
だから、x = 1のときにt = π/4となり、x = 0のときにx = 0となる。

微分積分などで使う角度の単位は「°」ではなく、弧度法のradなので、この点は注意してください。

ちなみに、

第31回 置換積分2_htm_5a7b15e2.gif

としてもいいケロ。

これが出ているのは、原始関数の表だ。お願いだから、クリックするケロ!!


なお、逆関数の定義から、

第31回 置換積分2_htm_m13a3367e.gif


次回も置換積分を使って三角関数の定積分を計算します。

定積分の計算は、とにかく計算が長くなるので、
計算が苦手なネムネコは、あんまりやりたくないんだけれど。




タグ:微分積分
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