第10回 問題演習1 [ネコ騙し数学]
第10回 問題演習1
ここまで理論的で抽象的な話ばかりしてきたことに加え、数列の極限の理論的な話も一段落したので、今回と次回は、数列の極限の問題をいくつか解くことにしますにゃ。
例題1 次の極限を求めるケロ
(1)このタイプは分子を有理化するんだにゃ。つまり、
になるので、n → ∞ にすると、これが0になるのがわかるケロ。
だから、
だね。
あるいは、
で、
だから、はさみうちの定理をより
としても良いケロ。
として、はさみうちの定理を使っても良いですにゃ。
(2)このタイプは分子分母に含まれるnの項の最高次数で割るといいんだにゃ。
つまり、
だから、
n→∞ならば、分子と分母ともに1 に収束するので、
極限の
を使っているわけだにゃ。
(3)は
で、
になるケロ。
になるので、この極限は∞にゃ。
あるいは、
になるので、
としてもいいにゃ。
ここでは、
を使っているにゃ。
では、問題を!!
問題1 次の極限を求めるケロ。
【ヒント】
(1)分母を有利化すると
であるから、
n → ∞ならば、この極限は幾つになるケロ?
(2)
だから、
だケロ。n→∞ならば、この極限は?
(3)
ここまでの内容を理解していれば、n → ∞の
の極限は求められるはずだケロ!!
答えは、1/3 にゃ。
ここで、再び、少しだけ理論的な問題を。
例題2 次のことを証明するケロ
(1)a = 0のときは明らか。
0 < |a| < 1 のとき、|a| = 1/(1+b) (b > 0) とおけるので、
n → ∞ のとき 1/nb → 0 だから、
だにゃ。
(2)は a = 1+b (b > 0) とおけるので、
(3)は、明らかでしょう。
ちなみに、(1)や(2)では
という二項定理を使っているにゃ。
二項定理を使うと、n ≧ 2ならば
だから、
となり、
ということがわかるケロ。
これを少し工夫すれば、a > 1 のとき
も証明できますにゃ。
この証明は、a = 1+b (b > 0)として二項定理を使えばいいですにゃ。
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