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第12回 フルネ・セレの公式 [ネコ騙し数学]

第12回 フルネ・セレの公式


前回、曲線上の点Pの原点に対する位置ベクトルをrとし、さらに曲線の長さをsとすると、接線ベクトルは

  

となり、Pにおける主法線ベクトルn

  

そして、従法線ベクトルはtnの外積
  b=t×n

で与えられ、
  

になり、

  

となる。

κは曲率、τは捩率。


前回、ここまで話をしたにゃ。


最後の式は証明しなかったので、証明するにゃ。


bb=1なのでこれをsで微分すると
  

となり、bは直交する。

さらに、tb=0sで微分すれば、

  

となる。

  

なので、第2項はκnb=0である。よって、
  
となり、tは垂直。

故に、 btに垂直であり、nと同じ方向である。


それで、tnbの3つの単位ベクトルは右手系を構成するので、

  n=b×t=−t×b

となる。

これをsで微分すると、

  

となる。


で、

  

の3つの公式を合せてフルネ・セレの公式と呼ぶ。

ちなみに、曲率κ

  

だにゃ。


こういう関係があるというだけの話だにゃ。
このフルネ・セレの公式は、この後の話に関係がない。この公式が登場することはない。


ベクトル解析は、物理と関係が深いので、ちょっと物理の話を。


例 速度と加速度の接線成分、法線成分

曲線上を運動する点Pの原点に対する位置ベクトルをr、曲線上の定点からPまでの曲線の長さをs、時間をτとするにゃ。

時間はtでもいいのだけれど、接線ベクトルtとの誤解を避けるためにここではτとするにゃ。捩率とは関係ないないので、この点だけは注意して欲しい。

Pの速度v

  

で、速さv=v|だから、
  v=vt

になる。

で、これをもう一度時間τで微分すると

  

そして、フルネ・セレの公式の(1)より

  

となる。

この式の右辺第1項は加速度aの接線方向の成分、そして、第2項は垂直成分だにゃ。これをとすると、

  

になる。ここで、ρは曲率半径。

この曲線が原点を中心とする半径Rの円ならば、

  

となる。これに質点の質量mを掛けたものが遠心力と言われるもので、

  

が遠心力の大きさになる。


つい最近、人工衛星が打ち上げられたけれど、あれが地球の中心を原点とする円軌道を描いて宇宙空間を飛んでいるとすると、地球の引力=遠心力にならなければいけないので、

  

ここで、Gは重力定数、Mは地球の質量。
この速度vで飛んでいるということになる。

地球表面すれすれを飛ぶとすると、この値は秒速約7.9kmで、この速度のことを第一宇宙速度と呼ぶにゃ。


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