第16回 方向微分 [ネコ騙し数学]
第16回 方向微分
スカラー場f(r)と単位ベクトルuが与えられているとき、点における方向の微分係数(方向微分係数)を次のように定義する。
成分で書くと、これは
となる。
点Pを通り、方向ベクトルuと平行な直線を考える。
点Pからの距離sをもちいて直線の方程式をr=r(s)とあらわす。
そして、このu方向の方向微分を求めると
となる。
uは単位ベクトルなので、uと∇φの内積u・∇φは∇φのベクトルuへの正射影。
また、ベクトルuとベクトル∇φのなす角をθとすると、u・∇φ=|∇φ|cosθになる。このことから、φのu方向の方向微分係数であるu・∇φはθ=0の時に最大で、θ=−πの時に最小となる。
u・∇φの絶対値は、|u・∇φ|=|∇φ||cosθ|なので、θ=0とπのとき最大で、θ=π/2のときに最小になる。つまり、uと∇φが平行なとき最大で、垂直なとき最小になる。
で、∇φは曲面φ(x,y,z)=cの法線ベクトルであったから、uがφ(x,y,z)=cに垂直であるとき、|u・∇φ|が最大になるというわけ。
今は単位ベクトルuについての話だったけれど、これはさらに一般化されとしたとき、
となり、
という微分演算子を作ることができる。
そして、この微分演算子は、Uとハミルトン演算子∇の内積と考えられることができる。
ちなみに、ハミルトン演算子∇は
以上の議論はあくまで形式的なものです。
こういうのは、具体的な例をあげたほうがわかりやすいケロ。
f(x,y)=xyという関数があるとするにゃ。そして、u=(a,b)とし、A(x,y)とするにゃ。そうすると、A(x,y)におけるuの方向微分係数は
となる。
この微分係数は、aとbの方向によって値が変わる。
で、a=1、b=0とすれば、これはの値と一致する。
と言うか、この時は
だから、f(x,y)に対する偏微分の定義そのものになっている。
また、
だから、
となり、求めた方向微分がuと∇fの内積になっていることがわかる。
うまく説明できなかった。後日書き換えることにしょう。
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