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第7回 定積分の性質2 [ネコ騙し数学]

第7回 定積分の性質2


定理10

関数f(x)g(x)が有界閉区間I上で積分可能ならば、f(x)g(x)I上で積分可能である。

【証明】

f(x)g(x)I上で有界だから、

  

となる定数MM>0)が存在する。

y∈Iとすると、

  

したがって、Iの任意の分割をΔとすれば、振幅は

  

よって、

  

f(x)g(x)I上で積分可能だから、|Δ|→0のとき

  

だから、

  

となり、f(x)g(x)I上で積分可能である。

(証明終)


よって、有界閉区間I上で連続な関数f(x),g(x)I上で積分可能だから、上の定理からf(x)g(x)I上で積分可能である。

また、f(x)を有界閉区間I上で連続、g(x)I上で積分可能のとき、f(x)g(x)I上で積分可能である。

定理11

関数f(x)が有界閉区間I上で積分可能でf(x)>0、さらにが有界ならば、I上で積分可能である。

【証明】

f(x)I上で有界だから

  

である定数M>0が存在する。

したがって、x,y∈Iに対して

  

Iの任意の分割をΔとすると

  

f(x)I上で積分可能だから

  

よって、

  

したがって、1/f(x)I上で積分可能である。

(証明終)


上の2つの定理から、f(x)g(x)が有界閉区間I上で積分可能でf(x)≠0ならば、f(x)/g(x)I上で積分可能ということになる。


定理12

関数f(x)が有界閉区間I=[a,b]上で積分可能ならば、|f(x)|はI上で積分可能で

  

である。

【証明】

xy∈Iに対して

  

Iの任意の分割をΔとすると、

  

よって、

  

f(x)I上で積分可能だから

  

したがって、

  

となり、|f(x)|はI上で積分可能である。

また、

  

よって、

  

(証明終)
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