第22回 包絡線 [ネコ騙し数学]
第22回 包絡線
αをパラメータとして含む曲線群
の各曲線と1点だけで接する曲線を、この曲線族の包絡線という。
f(x,y,α)をC¹級とする。曲線群と包絡線の接点を(x,y)とすると、xとyはαの関数である。
これを
とする。
(1)と(2)は接するのだから、
また、φ(α)、ψ(α)はf(x,y,α)=0上の点だから
これをαで微分すると、
よって、包絡線は、2曲線
の交点(φ(α),ψ(α))=0の軌跡であり、この2式からαを消去した方程式の曲線Cに含まれる。そして、曲線Cは曲線群の特異点を含むことがある。
例
この場合、はx–α=0。よって、x=αのときy⁴–y²=0となりy=0、±1となるが、点(α,0)は特異点(結節点)なので、直線y=0は特異点(α,0)の軌跡。したがって、包絡線はy=±1である。(右図参照)
問題1 次の曲線群の包絡線を求めよ。
【解】
(1)
①の両辺をαで偏微分すると
①の両辺を②乗すると、
よって、包絡線は放物線y²=4x
(2)
①の両辺をαで偏微分すると、
①と②を2乗して足すと
よって、包絡線は原点を中心とする半径pの円である。
をαで偏微分すると、
したがって、
x=−1は包絡線であり、x=0は特異点の軌跡。
(解答終了)
とすると、
したがって、(0,α)は特異点である。
また、
よって、(x,y)=(0,α)において
よって、(0,α)は結節点で接線は2本引ける。
問題2 次の包絡線を求めよ。
(1) 円x²+y²=r²のy軸に平行な弦を直径とする円の曲線群
(2) 座標軸で切り取られる部分の長さが一定である曲線群
【解】
(1) 弦の両端をA、B、その中点をCとし、C(α,0)とする。
三角ACOは直角三角形だから、ABを弦とする円の半径ACは
よって、円の方程式は
αで偏微分すると、
これを①に代入すると、
(2) 直線の方程式を
とすると、条件より
①をαで偏微分すると、
②をαで微分すると
③に代入すると、
とおくと、
これを①に代入すると、
②に代入すると、
④を②乗したものと⑤の辺々を掛けると、
よって、アステロイドになる。
(解答終了)
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