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第1回 極限ですにゃ [ネコ騙し数学]

ネコのために、ネコ騙し数学:微分積分をやるにゃ。

人間向けじゃないんだにゃ。猫による、猫のための、猫の数学なんだにゃ。

ネコ騙し数学なんですにゃ。

 

第1回目は、極限なんですにゃ。

xがaに近づけば、関数f(x)がどんな値に近づくか、というのが極限なんですにゃ。

このときの「どんな値」を極限値といいますにゃ。

これですと、抽象的でわかりくいと思いますので、具体的な例をあげて説明しますにゃ。

 

例1

xが1に近づくと、第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_m2af47cc7.pngはどんな値に近づくか、わかりますかにゃ。

ネコでも、この時、第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_m2af47cc7.pngが1に近づくということはわかりますにゃ。

これを数学の記号で書くと

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_5b2caf79.png

とか

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_mc9a5078.png

と書きますにゃ。

極限というのは、これだけのことなんですにゃ。

 

なんだ、

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_3441aaa9.png

じゃないか!!

なんて思うと、怪我しますにゃ。死んでしまいますにゃ。

 ―――これは「x=aで関数f(x)が連続である」ことを意味します。図形的な表現をすると、曲線がx=aで切れないでつながっていることを意味します。極限値は関数の曲線が切れていても存在出来る!!―――

 

例2

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_50fb68f3.png

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_3896ab69.png

のとき、

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_m1b8d797b.png

はいくつかですかにゃ。

0ですかにゃ、それとも1ですかにゃ。

これは難しいですにゃ。

xが1/2に左から近づくか、右から近づくかによって、値が違ってしまいますにゃ。左側から近づくと0で、右側から近づくと、1ですにゃ。困りましたにゃ。

仕方がないので、

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_m5f7b0d4e.png  ・・・左側極限

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_m599cd4ed.png  ・・・右側極限

と書きますにゃ。

この場合のように、左側極限と右側極限が違うとき、極限値は存在しないんですにゃ。

こういう場合もあるんですにゃ。

 

実は、ここがポイントなんですにゃ。

xがaという値に左側から近づこうが、右側から1近づこうか、近づき方に関係なく、有限の値を一つもつ時にのみ、極限値は存在するんですにゃ。

極限値が存在するというのは、左側極限と右側極限の値が一致するときなんですにゃ。

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_13c09953.png

のときなんですにゃ。

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_57e920e4.png

となるんですにゃ。

 

厳密なことを言いますと、ちょっと違いますけれど、この時

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_3441aaa9.png

が成立するんですにゃ。

 

これで第1回、終了ですにゃ。

 

ここから、ちょっと呪文を書きますにゃ。呪文ですから、ネコには理解できませんにゃ。

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_47c0f8c9.png

が成立するとき、bを極限値という。

 

この呪文を第2回で解説する予定ですにゃ。

 

これ、使わないと、極限の公式を証明できないので、我慢して欲しいにゃ。

第1回 極限とは何ですかにゃ (1)_htm_2deafc2c.png

も証明できないにゃ。


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コメント 4

bagelone

 次が分かりません。

 ◇ ~~~~~~~~~~~
 なんだ、
 【この数式は 出ません】
 じゃないか!!
 なんて思うと、怪我しますにゃ。死んでしまいますにゃ。
 ―――これは「x=aで関数f(x)が連続である」ことを意味します。図形的な表現をすると、曲線がx=aで切れないでつながっていることを意味します。極限値は関数の曲線が切れていても存在出来る!!
 ―――
 ☆ f(a) = a^2 ではないのですか?

 もしそうであるなら 《連続か切れているか》を何故問題にする(できる)のですか?


 こんな質問でもいいのですか?
by bagelone (2015-02-18 14:25) 

nemurineko

極限の場合、
関数fはx=aの近く(数学の用語でいいますと「aの近傍」)で定義されているだけでよく、
関数fがx=aで定義されていなくてもいいんですよ。

たとえば、
 f(x) = sin(x)/x
という関数があるとします。
x=0のとき、この関数f(x)は0/0になりますので、数学の大原則「0で割ってはいけない」に違反します。
ですから、この関数が定義されているxの範囲、定義域からx=0という点が除外されます。
ですから、
このx=0という点でf(x) = sin(x)/xは切れている、連続していない、不連続になります。

しかし、
 lim[x→0]sin(x)/x
は存在するんですよ。
これは、三角関数の微分をやるときに証明するつもりなのですが、
この値は1になります。
 lim sin(x)/x = 1

極限や極限値を議論するとき、x = aで関数を定義しないほうが便利でより一般的な理論を構成できる。
だから、わざわざx=aを除外し、x=aの近傍の振る舞いだけを問題にする。

でですね、
 x→0のとき、sin(x)/x→1
になるので、
本当は
 f(x) = sin(x)/x
はx=0で定義してはいけないんだけれど(0割り禁止の大原則!!)、
この極限値である1をもって、
 f(0) = sin(0)/0 = 1
と再定義する。
こういう風に、極限をもって、連続していない点、不連続の点を除去できる場合もあります。
こういう関数の不連続点を「第1種の不連続点」とか「除去可能な特異点」と呼んだりします。

ただし、
 f(x) = 0,   (0≦x≦1/2の場合)
 f(x) = 1,   (1/2<x≦1の場合)
のx=1/2は、除去できない不連続点です。これは本質的な不連続点なので。
で、この場合、
 左側極限 lim[x→1/2-0] = f(1/2) = 0
は成立します。
ですが、右側極限
 lim[x→1/2+0] = 1 ≠ f(1/2) = 0
なので、
 lim[x→1/2-0]f(x) ≠ lim[x→1/2+0]
となって、x=1/2の極限値は存在しない、となります。


☆ f(a) = a^2 ではないのですか?
◇これは、f(x) = x^2が、x=aで連続だからです。
f(x) = x^2は実数全部の領域で「連続」だから、左側極限と右側極限がつねに一致します。
この場合、
 lim f(x) ≠ f(a)
という病的(?)な現象は起きません。

ということで、「関数が連続であるか、連続でないか」は非常に重要。
by nemurineko (2015-02-18 15:22) 

bragelone

 連続・不連続が先に決まっているということですか?
by bragelone (2015-02-18 17:40) 

nemurineko

☆連続・不連続が先に決まっているということですか?
◇関数を定義したときには、その関数の連続・不連続が既に決まっている、となりますかね。

ですが、微分・積分で扱うのは、連続した関数だけなので、あまり神経質になる必要もないと思います。
微分できる関数は、かならず連続ですし、
連続した関数でないと積分を定義することがちょっと難しいので。

このあたりの話をしだすと、
あの《カントールの対角線論法》の話なんかが出てくるんですよ。
「有理数より、無理数の方がずっとずっと一杯ある」
なんて話が出てきます(^^ゞ
関数の不連続の点が高々可算個(最大でも自然数の無限大個)程度なら、
「ほとんど連続だ」
なんて、非常におおらかな数学もあります(^^♪
by nemurineko (2015-02-18 19:28) 

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