第24回 線形微分方程式の解法1 [ネコ騙し数学]
第24回 線形微分方程式の解法1
線形微分方程式とは、2階微分方程式の場合
の形になる微分方程式のことです。
f(x)、g(x)、h(x)はxの関数、または、定数の場合のものね。
ね。
f、gが定数以外の場合は、非常に解くのが難しく、求積法で解けないことが多いのでやりません。
ちなみに、h(x)=0の場合を同次、そうでない場合を非同次といいます。今回やるのは、同次のケースです。
一階線形微分方程式
ですが、一階の微分方程式、
の場合は、
となりますにゃ。
どうしてこうなるか説明しますにゃ。、
これでは見にくいので、
と置くことにしますにゃ。
で、突然、ネムネコは
という関数をxで微分したくなったので、微分しますにゃ。猫は気紛れですから。
すると、
になりますにゃ。
で、u=F(x)と置いて、合成関数の微分の公式を使うと、
この結果を②に代入すると、
これは①式の左辺を倍したものにゃ。だから、①式の両辺ををすれば、
になるケロ。
で、
この両辺を積分すれば、
だから、
となって、⑨式になる!!
めでたし、めでたし。
⑨式の積分、したいケロか?
たとえば、
を⑨を使って、解いてみたいケロか?
であるとすれば、
という積分をすることになるけれど、この積分、できるケロか?
「ものは試し」と、マイクロソフトのMicrosoft Mathmaticsにこの積分をさせてみたけれど、できなかったケロ。
この積分は、
となるケロ。
所詮、ただソフトだにゃ~。
ネムネコの完全勝利!!
⑨式を見るとわかりますけれど、
この答えは
になるんですが、
な~に、こんな難しい積分の計算をしないでも、簡単にこの解を求める方法がある。
これは次回に説明します。
ここでいいたかったのは、線形の微分方程式は、係数が定数でないと積分がとんでもなく大変だということです。
これと⑤を比較すると、x-1というおまけ(特殊解)があるかどうかの違いだにゃ。
だったら、
もっと上手い解き方があるはずです!!
定数係数の一階線形微分方程式
これは、一般形が
ですにゃ。
これは変数分離ができて、
となりますにゃ。
これは、もう、お決まりの形で、この微分方程式の解が指数関数になることが分かる。
だったら、最初から
とすりゃ~、いい。
この微分は、
となるから、⑥式に代入すれば、
となるケロ。
だから、⑥式を
として置き換えれば、ただの一次方程式になる。
微分・積分なんて面倒なことをする必要はない!!
微分方程式を見ただけで、その解は分かる!!
文句あるか?
簡単だケロ?
定数係数の2階微分方程式の解法
今、さっきやった手法を使って、定数係数の2階微分方程式を解いてみようじゃないか。
の場合でやってみよう!!
Cはただの定数だから、こんなものは端(はな)から無視して構わない。としてやってみるニダ。
これを⑦に代入すれば、
になるケロ。
つまり、元の微分方程式を
と置き換えれば、2階の微分方程式は、ただの2次方程式になると言うことだわさ。
ほいで、この2次方程式のことを、微分方程式の特性方程式というケロ。で、特性方程式の解のことを特性解とかいうにゃ。で、こうやって求めたのことを基本解とかいうにゃ。
そして、この微分方程式の解は
となる。
ほいじゃ~、
問題
を解いてくんろ。
(2)は虚数になるって?
な~に、そんな細かいことを気にすることはない。
~~~~~~~
ここ↓、思い切り間違っているじゃないか!! 少しは気にしろ、⑨ネコ!!
ちょっと言い訳をすると、この時、「とあること」を考えていたんですよ。
この原稿は、昨夜遅くに書いたんですが、この部分を書いたとき、何かを考えていた。
~~~~~~~~
☆☆☆☆☆☆☆☆
正しくは、
です。
☆☆☆☆☆☆☆☆
となる。
係数C1、C2は実数ではなく、複素数になるけれど、そんな小さいことは気にすることはない(笑)。
微分方程式なんてものは、どんな姑息な手段を使おうが、解けりゃ~いいんだわさ。
でも、これを見れば、sinとcosの関数であることが分かるから、そ知らぬ顔をして、
とするのがお洒落!!
⑧が解であることは、
であることから、明らか!!
―――⑧が解になっていることを是非とも確かめて欲しい―――
なお、
で虚数単位と呼ばれるもの。
でだ、これが何を表わしているかと言うと、物理で単振動と呼ぶ運動。振り子やバネなどがこのタイプの微分方程式になるケロ。
前回、ニュートンの運動方程式いついて少し話しましたが、バネの運動は、
この特性方程式は、
だから、
mはおもりか何かの質量で、kはバネ定数という比例定数。そして、このωのことを角速度や角振動数といいます。
このタイプの(物理の)微分方程式は、最終的に
としてもいいし、
と書いてもいい。
見た目は違うけれど、同じことを表わす式だけろ。
と書いたりします。
あっ、そうそう、これを書き忘れちゃ~、いけない。
重解の場合は、
基本解は、
になって、
解は
となります。
たとえば、
今回のまとめ
の特性方程式は
だ。
二次方程式さえ解ければ、
微分・積分なんて知らなくても、定数係数の同次線形微分方程式は解けるわ、ボケ!!
で、宿題。
宿題 次の微分方程式を解け。
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