第13回 級数とその収束 [ネコ騙し数学]
第13回 級数とその収束
級数とは、平たく言えば、数列があったときこの無限の項を足し合わせたもの、つまり、
のことを言いますにゃ。
で、級数と言えば、一般的に項が無限個ある無限級数のことをいうケロ。
有限個の場合、つまり、
のことを有限級数と呼ぶ場合もあるケロ。
①のn項までの和(部分和)
とし、n = 1, 2, ・・・ とすると、新たな数列が得られるケロ。
で、
収束しないときは発散するというにゃ。
と有限確定のsという値、極限値を持つとき、これをの和といい、
と表わすにゃ。
要は、②の部分和が極限値を持つかどうかにゃ。
部分和というか数列も数列なので、これまでに数列で述べてきた定理はもちろん成り立つにゃ。
数列が収束するとき、極限値は一つしかないし、また、は有界でなければならないケロ。そして、が有界な単調数列ならば、かならず収束する、極限値を持ちますにゃ。
このあたりは、数列の定理とかを見て復習して欲しいケロ。
でも、今回は級数とその収束のイントロなので、あまり小難しい議論はせずに、簡単な例を挙げて、収束するかどうかの話をするにゃ。
例1
これは収束しないにゃ。
定義に従うと
になるので、
になることからわかるケロ。
例2
も発散するケロ。
なので、この極限を取れば∞になり、発散するにゃ。
例3
これも発散するケロ。この話は定積分のどこか(「第28回定積分の性質など」の級数の収束判定に定積分を使うにゃ←当然、クリックでしょう)でしたにゃ。
二通りの方法で、これが発散することを示したにゃ。
になるので、
だから、この無限級数が発散することは明らかにゃ。
例4
も発散するにゃ。
となり、この極限値が発散するのはわかると思うにゃ。
まっ、このことを知らなくても、例1とn ≧ 2 ではなので、
となり、発散することはわかるにゃ。
では、収束する級数の例だにゃ。
例5
n項までの部分和は
0 <1/2<1なので
となり、
だから、
となりますにゃ。
例6
これは例3と似ているけれど、収束するにゃ。
定積分のどこか(←クリックしたかにゃ。してなければ、クリックするケロ)で
をやった記憶があるケロ。
そして、その項のすべては正なので狭義単調増加となり、極限値が存在する。
値はわからないけれど、この極限値が存在することは確かにゃ。
これは、こうやっても証明できるにゃ。
n ≧ 2 ならば
で、
となるにゃ。
だ・か・ら、
n ≧ 2 のとき
となり、
あとは同じだね。
話が後先になったけれど、等比数列の部分和は、初項をa 、公比をrとすると、
になるので、 –1 < r < 1 のとき、つまり |r| < 1 のとき、
となりますにゃ。
最後に一つ、定理。
定理
が収束するならば、数列も収束する。
【証明(?)】
n≧2 のとき
よって、
これは重要な定理ですにゃ。ひ憶えてくださいにゃ。
ただし、この逆、
が収束するならば、は収束するは成り立たないにゃ。
反例としては、例3をあげればいいにゃ。
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