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第13回 級数とその収束 [ネコ騙し数学]

第13回 級数とその収束

 

級数とは、平たく言えば、数列級数_htm_m5e8a466d.gifがあったときこの無限の項を足し合わせたもの、つまり、

級数_htm_m513d26c8.gif

のことを言いますにゃ。
で、級数と言えば、一般的に項が無限個ある無限級数のことをいうケロ。

有限個の場合、つまり、

級数_htm_m49901f5a.gif

のことを有限級数と呼ぶ場合もあるケロ。

 

①のn項までの和(部分和

級数_htm_m2575b7d.gif

とし、n = 1, 2, ・・・ とすると、新たな数列級数_htm_m592a908f.gifが得られるケロ。

で、

この数列級数_htm_m592a908f.gifが収束するとき、級数級数_htm_42284780.gifは収束するといい、

収束しないときは発散するというにゃ。


級数_htm_35adc36c.gif

と有限確定のsという値、極限値を持つとき、これを級数_htm_42284780.gifといい、

級数_htm_m4a10c9d7.gif

と表わすにゃ。

要は、②の部分和が極限値を持つかどうかにゃ。

部分和というか数列級数_htm_m592a908f.gifも数列なので、これまでに数列で述べてきた定理はもちろん成り立つにゃ。

数列級数_htm_m592a908f.gifが収束するとき、極限値は一つしかないし、また、級数_htm_m592a908f.gifは有界でなければならないケロ。そして、級数_htm_m592a908f.gifが有界な単調数列ならば、かならず収束する、極限値を持ちますにゃ。

このあたりは、数列の定理とかを見て復習して欲しいケロ。

 

でも、今回は級数とその収束のイントロなので、あまり小難しい議論はせずに、簡単な例を挙げて、収束するかどうかの話をするにゃ。

 



例1

級数_htm_296579d9.gif

これは収束しないにゃ。

定義に従うと

級数_htm_m6538d8c5.gif

になるので、

級数_htm_48d2740e.gif

になることからわかるケロ。

 

例2

級数_htm_m54c949ee.gif

も発散するケロ。

級数_htm_14a28fb9.gif

なので、この極限を取れば∞になり、発散するにゃ。

 

例3

級数_htm_19b0ac59.gif

これも発散するケロ。この話は定積分のどこか(「第28回定積分の性質など」の級数の収束判定に定積分を使うにゃ←当然、クリックでしょう)でしたにゃ。
二通りの方法で、これが発散することを示したにゃ。

級数_htm_m3f36f98.gif

になるので、

級数_htm_m12a02349.gif

だから、この無限級数が発散することは明らかにゃ。

例4

級数_htm_m69b27d16.gif

も発散するにゃ。

数列級数_htm_m5e8a466d.gifは初項1、公比2の等比級数なので、そのn項までの和は

級数_htm_3ca2fffe.gif

となり、この極限値が発散するのはわかると思うにゃ。
まっ、このことを知らなくても、例1とn ≧ 2 では級数_htm_3cd1681.gifなので、

級数_htm_2bc0efde.gif

となり、発散することはわかるにゃ。

 

 


では、収束する級数の例だにゃ。


例5

級数_htm_m24332438.gif

n項までの部分和は

級数_htm_19fafe0c.gif

0 <1/2<1なので

級数_htm_m7f7db93a.gif

となり、

級数_htm_m3bb23c50.gif

だから、

級数_htm_507015c.gif

となりますにゃ。

 

例6

級数_htm_cd3bcd9.gif

これは例3と似ているけれど、収束するにゃ。

定積分のどこか(←クリックしたかにゃ。してなければ、クリックするケロ)で

級数_htm_75441ef6.gif

をやった記憶があるケロ。

だから、数列級数_htm_m592a908f.gifは上に有界(上限を持つ)。

そして、その項のすべては正なので狭義単調増加となり、極限値が存在する。

値はわからないけれど、この極限値が存在することは確かにゃ。

 

これは、こうやっても証明できるにゃ。

n ≧ 2 ならば

級数_htm_m74d76938.gif
となり、

級数_htm_48c5735c.gif

で、

第13回級数_htm_22dce6.gif

となるにゃ。

だ・か・ら、
n ≧ 2 のとき

級数_htm_m528f3d5c.gif

となり、

級数_htm_m7071051.gif

あとは同じだね。

 

話が後先になったけれど、等比数列の部分和は、初項を、公比をrとすると、

級数_htm_m63c19c15.gif

になるので、 –1 < r < 1 のとき、つまり |r| < 1 のとき、

級数_htm_m5de2a501.gif

となりますにゃ。

 

 

最後に一つ、定理。

 

 

定理

級数_htm_42284780.gifが収束するならば、数列級数_htm_m5e8a466d.gifも収束する。

 

【証明(?)】
n≧2 のとき 

級数_htm_m239b37e2.gif

よって、

級数_htm_673f4cd3.gif

これは重要な定理ですにゃ。ひ憶えてくださいにゃ。
ただし、この逆、
級数_htm_m5e8a466d.gifが収束するならば、級数_htm_42284780.gifは収束するは成り立たないにゃ。
反例としては、例3をあげればいいにゃ。


タグ:数列 級数 極限
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