第19回 演習4 [ネコ騙し数学]
第19回 演習4
指数関数と対数関数を説明したので、これに関する簡単な問題を幾つか解くことによって、複素関数の指数関数と対数関数について理解を深めて欲しいと思うケロ。
まずは、復習。
複素関数の指数関数の定義は
そして、対数(関数)の定義は、
のとき、
で、wは一般に複数の値を持つ多価関数になる。かりにzが次のような極形式(極座標での表示)
で与えられ、さらに、w=u+ivとすると、
になる。
要するに、
になる。
復習がすんだところで、簡単な問題を解いてみることにします。
問題 次の問いに答えよ
(1)次の値を求めよ。
(2)次の方程式を解け。
【解】
(1) (a)と(b)の点を複素平面で書くと次のようになる。
(a)の場合は、z=x+iy=0+3iなので、x=0、y=3だから、
になるので、
となる。
(b)は、z=x+iy=1–√3だから、x=1、y=–√3になり、
となるにゃ。このことから、
となる。
理系の人はradという角度の単位に慣れているでしょうが、ネコ騙し数学はそもそも文系の人を対象にして始めたもの。で、ここで簡単にrad(らでぃあん)という角度の単位を説明しますと、扇型の円弧の長さlを半径aでわったものを中心角θに取ったもので、
という関係がある。扇型が円のとき、l=2πaだから、
つまり、「度」と「らでぃあん」との間には、360°=2π(rad)、180°=π(rad)という関係にある。
では、(2)を。
(2)
面倒臭がらずに複素平面に点を書き、そして、指数関数と対数(関数)の定義に従えば、どれも簡単に求めることができる問題です。
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