第12回 二次方程式の判別式と解と係数の関係 [ネコ騙し数学]
第12回 二次方程式の判別式と解と係数の関係
§ 二次方程式の判別式
二次方程式
の解は、
である。
②より根号√の中が負になると二次方程式の解は複素数になるので、二次方程式①が実数解(実根)をもつためにはがD≧0でなければならない。
また、判別式D=0のとき、二次方程式の解はただひとつで、その値は
となる。
ということで、③で二次方程式の解を判別できる。この③をD=b²−4acのことを二次方程式の判別式という。
そして、この判別式を用いると、二次方程式①の解は次のように判別できる。(ⅰ) D>0⇔相異なる2実根
(ⅱ) D=0⇔ 重根・重(複)解 (一つの実根・実数解)(ⅲ) D<0⇔ 相異なる2虚根
これを踏まえて、問題。
問題1 次の二次方程式の解の判別せよ。ただし、文字はすべて実数とする。
【解】
(1) a=2、b=−3、c=2として、判別式の値を計算する。
よって、相異なる2虚根。
(2) a=2、b=p、c=−2
よって、相異なる2実根。
(3) a=9、b=−12m、c=4m²
よって、重根。
(3)は、
判別式を使うまでもなく、重根であることは分かる。
問題2 方程式
が重根をもつようにaの値を定めよ。
【解】
二次方程式の根が重根なので、判別式D=0である。よって、
§ 二次方程式の解と係数の関係
二次方程式
の解は
になる。
二次方程式の解をα、βとし、
とする。
このとき、
となり、
になる。
つまり、解と係数には次のような関係がある。
この関係を、二次方程式の解と係数の関係という。
④は、こうやって導いてもいいケロ。
ax²−bx+c=0の解がx=α、βであるならば、
この係数を比較すると、
になるので、④になる。
では、問題を。
問題2 次の方程式の一つの根が−2であるとき、他の根およびaの値を求めよ。
【解】
もうひとつの根をβとすると、解と係数の関係より
になる。
よって、βは②より
①よりaは
もちろん、x=−2として、これを方程式に代入し
として、
を解いてもいい。
問題3 2x²+6−3=0の2根をα、βとするとき、次の値を求めよ。
【解】
解と係数の関係より、
(1)は(α+1)(β+1)を展開すると
(2)は
問題4 次の2数を根にもつ2次方程式を求めよ。
(1) 4,−3 (2) 3±√2
【答】(1) x²−x−12=0 (2) x²−3x+7=0
(ヒント)2次方程式の2次の係数を1とし、解をα、βとすると、求めるべき方程式は
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