第13回 平面上の点の移動 [ネコ騙し数学]
第13回 平面上の点の移動
「急がば回れ」という言葉があるので、今回は、点の移動についてやるにゃ。
§ 平面上の点の移動
xy座標平面上に点A(x,y)があるとする。x軸、y軸に関して対称、さらに、原点OについてAと対称な点は、図から分かるように次のようになる。
(ⅰ) x軸について対称 (x,−y)
(ⅱ) y軸について対称 (−x,y)(ⅲ) 原点について対称 (−x,−y)
そして、点Aを(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)の点に対応させれば写像となり、その写像をφとすれば(1) x軸について対称移動 φ:(x,y)→(x,−y)
(2) y軸について対称移動 φ:(x,y)→(−x,y)(3) 原点について対称移動 φ:(x,y)→(−x,−y)
となる。さらに、点A(x,y)をを平行移動させれば、
(4) 平行移動 φ:(x,y)→(x+α,y+β)となる。
今回、こんなことをやりたいわけじゃないにゃ。やりたいのは、平行移動によって関数の像がどう変わるかだにゃ。
今、仮にy=f(x)という関数があるとする。そして、この平面上の点A(x,y)をx軸方向にα、y軸方向にβだけ移動させ、A’(x’,y’)になったとする。この時、(x,y)と(x’,y’)の間には(4)次のような関係がある。
では、これによってy=f(x)の像はどうなるか。⑨をxとyについて解けば、
になるので、これをy=f(x)に放り込む。
そうすると、
となる。
このままだと見た目が悪いので、x’、y’をx,yに直すと、となるにゃ。
たとえば、原点を通る傾きmの直線をy=f(x)=mxとし、これを(α,β)だけ平行移動させれば、
となる。
この式、②は見覚えがないケロか? そうだケロ、これは点(α,β)を通る傾きがmの直線の方程式だケロ。ということで、y=mx上の点をすべて、x軸に沿ってα、y軸に沿ってβだけ移動させたものと考えることもできるというわけ。
じゃぁ〜、中学で習う2次関数y=f(x)=ax²は、この平行移動によってどうなるか。
になる。
たとえば、y=f(x)=x²、α=1、β=−2とすると、
となる。
y=f(x)=x²の対称軸はx=0で頂点は(0,0)で、y=g(x)=(x−1)²−2=x²−2x−1の対称軸はx=1、頂点は(1,−2)になっているので、y=x²を(1、−2)平行移動させた曲線になっていそうだ(^^)
突然、何でこんなことを言い出したいかというと、
という2次関数を、次回、取り上げたいんだにゃ。
そして、このためには、どうしてもこの知識が必要になるので、こういう話をしたというわけ。
②を、次のような形に変形したいんだケロ。
この変形の仕方を次回、やるにゃ。
実は、この変形の仕方は、すでに2次方程式の解の公式のところの平方完成で出ているのだけれど・・・。
ところで、f(x)=a/xとし、これを(p,q)だけ平行移動させると、
になる。
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