番外編 円の接線と極線 [ネコ騙し数学]
番外編 円の接線と極線
抽象的な話ではイメージがわかないと思うので、早速、問題を解いてみることにする。
(1) 接点をP(x₁,y₁)、Q(x₂,y₂)とすると、その接点における接線の方程式は
円外の点Pから円Oに接線を引き、その接点をQ、Rとする。Q、Rを通る直線を円Cに関するPの極線といい、Pを極という。
抽象的な話ではイメージがわかないと思うので、早速、問題を解いてみることにする。
問題1 次の問いに答えよ。
(1) 円x²+y²=5に点(3,1)から引いた接線の方程式と接点を求めよ。(2) (1)で求めた接点を通る直線の方程式を求めよ。
【解】(1) 接点を(a,b)とする。そうすると、接線の方程式は
これが点(3,1)を通るので
また、(a,b)は円x²+y²=5上の点なので
②と③より
bは②より
よって、接点は(a,b)=(1,2)、(2,−1)。
また、接線の方程式は①より
(2) 2点(1,2)、(2,−1)を通る直線の方程式は
(解答終わり)
こういうふうに解くことができる。
(2)の直線、つまり、(3,1)に関する円x²+y²=5を求めるだけならば、こうした計算をすることなく、とすぐに求められるんだケロ。
問題2 円x²+y²=r²のP(x₁,y₁)の接線の方程式は
である。
(1) 円外の点A(a,b)からこの円に2つの接線を引き、その接点をP、Qとするとき、PQの直線の方程式を求めよ。
(2) 直線PQ上の円外の1点より、再びこの円に2つの直線を引き、接点をB、Cとする。このとき、直線BCはAを通ることを示せ。(1) 接点をP(x₁,y₁)、Q(x₂,y₂)とすると、その接点における接線の方程式は
①、②は点A(a,b)を通るので
となり、P、Qは直線ax+by=r²上にあることとなる。2点を通る直線は1本しかないので、これが求める直線である。
よって、
である。
だから、問題1の(2)は、計算をするまでもなく、3x+y=5と求めることができる!!
(2) 直線PQ上の円外の点をR(s,t)とする。この点は⑨上にあるので
である。
また、⑨からB、Cを通る直線の方程式は
④の左辺にx,y)=(a,b)を代入すると、③より
となり、点(a,b)は直線BC上にあることになる。
(解答終わり)
この問題2は定理(のようなもの)なのであった。
ちゃんと通っているだろう。初等幾何的な証明ではないけれど、この定理を証明したということになる。
もののついでに話しただけだにゃ。
だけど、時々、大学の入試問題でこれに類する問題が出るようだね。受験生ならば、知っておいて損のない話であると思う。
タグ:初等幾何
2016-06-17 12:21
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