ワンポイントゼミ 4次関数のグラフ [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ 4次関数のグラフ
問 次の関数のグラフの概形をかけ。
【解】
(1) y=f(x)=x⁴−8x²とおく。
f'(x)=0の解はx=0、x=±2。
f''(0)<0だからx=0で極大。f(±2)>0だからx=±2で極小。
f''(x)=0の解は。でf''(0)>0だから下に凸、でf''(0)<0だから上に凸。したがって、で変曲点をとる。
この関数の概形は次のとおり。
(2) y=f(x)=3x⁴+8x³−1とおく。
f'(x)=0となるxは、x=−2、x=0。
x=0のとき、f''(0)=0だから2次導関数による極値の判定ができない。f'(x)=12x³(x+2)だから、x=0の前後の符号は−で減少状態にあり、よって、f(x)はx=0で極値をとらない。
x=−2のとき、f''(−2)>0だから極小。
f''(x)=0となるxは、x=−4/3、x=0。したがって、x<-4/3ではf''(x)>0で下に凸、−4/3<x<0でf''(x)<0で上に凸、x>0でf''(x)>0だから下に凸。よって、f(x)はx=−4/3、x=0で変曲点になる。
(3) y=f(x)=(x−1)⁴とする。
x=aで微分可能な関数f(x)が極値であるためには、f'(a)=0でなければならない。この条件を満たすのはx=1のみ。そして、f''(1)=0になるので、2次導関数を用いた判定の判定は行えない。だが、x=1の前後でf'(x)の符号が負から正に変わることから、x=1で極小値をとることが分かる。
この関数の変曲点だが、
だから、この関数は変曲点を有さない。
4次関数には直接関係しませんが、次の問題を。
問題
3次方程式f(x)=0が相異なる3つの実根を持つとき、2次方程式f'(x)=0は相異なる2つの実根を持つことを証明せよ。また、この場合、f(x)の実根をx₁、x₂、x₃(x₁<x₂<x₃)とし、f'(x)=0の実根をα、β(α<β)とすると、x₁、x₂、x₃とα、βの大小関係はどうなるか。【解】f(x)はx₁≦x≦x₂で連続、x₁<x<x₂で微分可能、かつf(x₁)=f(x₂)=0だから、ロールの定理により
となるαがx₁のx₂間に少なくともひとつ存在する。
同様に、
となるβがx₂のx₃間に存在する。
したがって、
である。
(解答終わり)
ロールの定理
f(x)が閉区間[a,b]で連続、閉区間(a,b)で微分可能であり、かつ、f(a)=f(b)であるとき、をみたすcが少なくとも1つ存在する。
タグ:微分積分
2016-09-07 20:00
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