SSブログ

第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2 [ネコ騙し数学]

第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2


三角関数の積分へのベータ関数の応用について述べることにする。


その前に、今回使う公式を示し、その証明を与える。


公式 (ベータ関数の三角関数による表現)

  

【証明】

ベータ関数

  

に、x=sin²θとして、置換積分を施す。

このとき、x=0にはθ=0x=1にはθ=π/2が対応し、

  

したがって、

  

(証明終了)


問1 次の積分の値を求めよ。

  

【考え方と解】

(1)は2p−1=32q−1=0、つまり、p=2q=1/2、(2)は2p−1=42q−1=0、つまり、p=5/2q=1/2と考えればよい。

そうすると、(1)と(2)は、ベータ関数を使って次のように積分の値を求めることができる。
  

(解答終了)



上の計算では、ベータ関数とガンマ関数の重要な次の関係

  

と、ガンマ関数の以下の性質

  

を使っている。

同様に、

  

と、定積分の値を求めることができる。


問2 次の値を求めよ。

  

【解】

(1) 2p−1=52q−1=3を解くと、p=3q=2

したがって、

  


(2) 2p−1=42q−1=2を解くと、p=5/2q=3/2だから

  

で、

  

よって、

  

(解答終了)

このように、ベータ関数とガンマ関数を用いると、三角関数の定積分の値を求めることができるという話でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。