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第41回 シュワルツの不等式 [ネコ騙し数学]

第41回 シュワルツの不等式

 

微分積分やベクトルの内積を知らない人でも、高校時代に
第41回_htm_m5d8a2b38.gif

という不等式を見たり、教科書の練習問題で証明したことはあるのではないでしょうか。

 

この証明は、左辺と右辺の差を取ると、つまり、左辺-右辺が

第41回_htm_158cbffe.gif

となることから、証明できますにゃ。
さらに、
第41回_htm_m687ef68b.gif

もっと一般的に

第41回_htm_m43ab8ead.gif
としても成り立ちますにゃ。

 

①の証明は、

λを実数とするとき、

第41回_htm_2d91c991.gif

となるので、

第41回_htm_m2184f925.gif

となる。

これは任意の実数λで成立するので、

第41回_htm_36227fa7.gif

とすると、

第41回_htm_mcdc9532.gif

でなければならない。

よって、

第41回_htm_4460790b.gif

になる。

第41回_htm_m28c37c9c.gifのとき、すなわち、第41回_htm_m2639bf5f.gifのとき、左辺=右辺=0より①は成立する。

といった感じでやればいいにゃ。

 

ここに出てくるDは二次方程式のところでやった判別式ですにゃ。

そこで、
すべての実数xで

第41回_htm_287e71d9.gif

が成立するとき、

第41回_htm_1e04324.gif

という話をしましたにゃ。

第41回_htm_3de23c77.gif

とおけば、こうなることがわかりますにゃ。

 

他にも証明の仕方がありますけれど、これが一番わかりやすいと思いますにゃ。

 

 

ほいで、

第41回_htm_m3fb9fc60.gif

といったデカルト直交座標の三次元ベクトルと考え、

ベクトルの内積を

第41回_htm_m2cda8ee6.gif

という風に定義すりゃ~、

第41回_htm_m451b3846.gif

となり、

シュワルツの不等式は、

第41回_htm_m207a8366.gif
となるにゃ。

 

第41回_htm_1df4dd45.gif
と定義し、

第41回_htm_m5de15aeb.gif

のとき(この仮定はゼロ割を禁止するため)、
シュワルツの不等式は

第41回_htm_m3353463a.gif

となり、

第41回_htm_20c64963.gif

となるので、

第41回_htm_m76794437.gif

とおけるケロ。

つまり、

第41回_htm_m546f40a.gif

となるんだケロ。

 

あるいは、

③を内積の出発点にして、

第41回_htm_50e1e446.gif

を導くかは流儀の違い。

高校では③でベクトルの内積を定義しているじゃないかな。


いずれにせよ、 

ベクトルの内積を用いてかけば、シュワルツの不等式は、

第41回_htm_50e1e446.gif

となるけろ。

 


積分の場合


積分の場合は、

シュワルツの不等式は、

 

[a,b]f(x)g(x)が連続であれば

第41回_htm_m4c6b176d.gif

となるケロ。

 

証明は、λを実数とすると

第41回_htm_m61868775.gif

だから、

第41回_htm_38ef45f7.gif

となる。、

後は自分でやるケロ。

前の証明の記号をこう置き換えるだけだにゃ。 

第41回_htm_77d1b51a.gif

 

って、ことはだよ。

第41回_htm_m6d059580.gif

で、

連続関数の内積を定義できると思わないケロか。

第41回_htm_m7b74d0e4.gif

内積やベクトルを幾何の範疇にとどめておくことはないと思わないケロか。

 

代数、幾何(ベクトル)、微分積分(解析)と分けて考えることがナンセンスじゃないんだろうか?

 

もっと自由に考えていいんじゃなかろうか?

 

実は、有界閉区間の連続関数はベクトルと考えても何の問題もない。

―――ベクトルの公理をすべて満たしている!!―――

そして、・・・。

内緒だケロ(笑)。

これは、微分積分の範囲を超えてしまうにゃ。

 

第41回_htm_c5776eb.gif

これは何を意味しているんだろうか?

これらの関数は、互いに直交しているのではなかろうか?

 

 

 


シュワルツの不等式は役に立つのか?

 

数学の基礎理論や、落とすための試験である大学入試以外じゃ、ほとんど使わない不等式だわな~。
実生活においても、まったく役に立たない不等式と言っていいんじゃないか。


でも、難関大学の数学の問題には、結構、よく出るみたいですな~。

問題を作りやすいから(ポリポリ)。

 

ネムネコも問題を作ってみるにゃ。

 

問題1 第41回_htm_m4d4cbcb9.gifのとき、2a + 3bの最大値、最小値を求めよ。

 

問題2 0 ≦ x ≦1で連続、かつ、f(x) > 0ならば

第41回_htm_m41b7d5f9.gif

を証明するケロ。

 

問題1は、

シュワルツの不等式を使うと、

第41回_htm_27f87724.gif

と出てくるケロ。

 

問題2は、

第41回_htm_m48dd2213.gif

として積分のシュワルツの不等式に代入すれば、

第41回_htm_m6f459290.gif


で、この両辺の対数を取れば、

第41回_htm_m41b7d5f9.gif

が出てくる(ポリポリ)。

 

積分区間の限界を変えて、

第41回_htm_4d1176e6.gif

とすれば、

受験生は試験会場で悲鳴を上げるに違いない(ポリポリ)。

悲嘆にくれ、涙するんじゃなかろうか。

 

見た目のおどろおどろしさに騙されちゃ~、いけない!!


ちなみに、

ベクトルの内積を用いた余弦定理の証明は、

第41回_htm_m7a7e4679.gif

とかやります。

 


タグ:微分積分
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