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第34回 べき級数と収束半径 [ネコ騙し数学]

第34回 べき級数と収束半径


べき級数とは

と表される級数のことだにゃ。

とおいた奴と考えられるにゃ。
で、このべき級数はxの値によって収束するxの範囲が変わってくるにゃ。

たとえば、


例1


というべき級数は、–1<x<1では収束するけれど、これ以外では収束しないニャ。



これに対して、


例2


は、x∈Rで収束する。
つまり、によって収束するxの範囲が変わってくる。
それで、–r < x < r (r >0)の範囲でべき級数が収束するとき、このr収束半径と呼ぶんだケロ。

例1だと収束半径は1で、例2の場合はr=∞になるにゃ。



第17回でダランベールの判定法というのをやったにゃ。

正項級数において


とするとき、0≦r<1ならばは収束する、

というやつだにゃ。


そして、絶対級数が収束すればが収束するということもやったにゃ。


一般のべき級数は正項級数ではないけれど、絶対値をつければ、つまり


とすれば、正項級数になるケロ。そうすれば、このダランベールの判定法が使えるんだケロ。


だから、


という極限値が存在するとき、この値の逆数が収束半径になるんじゃないでしょうか、という話だにゃ。


で、実際に例1を計算してみると、1/1なので1となり、この逆数である1が収束半径になっている。


例2の場合は、


となり、この逆数は∞となり、収束半径と一致している。


収束半径をRとすると、


となりそうだと。


コーシー・アダマールの判定法のほうがより一般的で適用範囲が広いんだけれど、
これは計算が面倒なので、計算が簡単なダランベールの判定法のほうがよく用いられる。


で、収束半径内でべき級数は一様収束するので、これは微分もできるし、積分もできるんだケロ。そして、項別微分、項別積分が可能になる。


この証明は次回ということで。


問題 次のべき級数の収束半径を求めるケロ。




【解】



勘のいい人は気づいているかもしれないけれど、この問題の(1)は例1を微分したもの、(2)は積分したものだケロ。
タグ:極限 数列 級数
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