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第36回 項別微分・項別積分の級数の和への応用 [ネコ騙し数学]

第36回 項別微分・項別積分の級数の和への応用

前回、べき級数(整級数)は、その収束半径をRとすると、-R<x<R

  

になるという話をしたにゃ。


で、これを使って、無限級数の和を求めてみようって話だにゃ。

問題1 次の級数の和を求めるケロ。

  

【解】

  

それで、

  
の収束半径は1だから、-1<x<1では項別微分ができて、上の式の両辺をxで微分すると、

  
となるケロ。


で、x=1/2とすると

  

で、この両辺に1/2をかけると、

  

となる。

あるいは、①式の両辺にxをかけると、

 

となるので、これにx=1/2を代入してもいいケロ。


こうした方法を使うと、無限級数の和だけではなく、
-1<x<1のとき、①や②のような公式(?)を簡単に導くこともできるんだケロ。



では、もう少し難しい問題を。

問題2 次の級数の和を求めるケロ。

  

【解】

  
の両辺をxで微分すると、

  

この両辺にxをかけると

  

で、これにx=1/2を代入すると、

  

 


問題3 次の級数の和を求めるケロ。

  

【解】
  
という級数を考えると、

  

になるので、この収束半径は

  

となる。

-2<x<2に対しては、項別微分が許されるので、

を微分すると、

  

となるケロ。
で、この両辺を積分すると、[0,1]で積分すると、

左辺は、項別積分ができるので
  
となり、

右辺は
  

よって、

  

まっ、こんなところだケロ。



なんだかわからない関数列や関数項級数の一様収束を長々とやってきた甲斐があったろう。
こうしたことができるのは、一様収束だからなんだケロ。

こうした計算をするときには、収束半径に気をつけて欲しいにゃ。
収束半径外では、基本的にこんな計算は許されない!!


 


タグ:数列 級数 極限
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