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第37回 べき級数の微分方程式への応用 [ネコ騙し数学]

第37回 べき級数の微分方程式への応用



例題 次の微分方程式を解くケロ。

  

この解が

  

なのは、これまでに何度も出てきているので知っていると思うケロ。


なんだけれども、

  

とべき級数として表せて、この収束半径が∞だとすれば、項別微分が可能になるので、

  

になる。

よって、
  

になる。


このことより、

  

になる。


で、初期条件より

 

となるので、

①を使って

  

と順に計算できるね。

であるから、

  

なのであろう。


でも、ここでやめてはいけないケロ。

②の収束半径が∞であることを確かめないといけない。②を見ると、

  

となるので、この収束半径を求めると、

  

となり、②が解であることがわかるケロ。

つまり、

  

こういうふうにして求めた微分方程式の解を級数解というんだケロ。



問題 次の微分方程式の解を級数を用いて求めるケロ。

  

【解】

  

となるとすれば、


初期条件から、

  

になる。

で、この結果を使うと、

  

となって、右辺と左辺の係数を比較すると、

  

で、だから、

  

だよね。

そして、

  

よって、


この級数解は

  

で、これは何かといえば、sinxのマクローリン級数なんだケロ。


微分・積分の第15回のマクローリン展開(級数)は

  

になっていたと思うけれども、これはn=0から始めるかn=1から始めるかの違いで、同じ式だケロ。

ちなみに、このべき級数の収束半径は∞。そして、このべき級数は実数全域で一様収束するので、何度でも微分できるし、積分もできる。

sinxを三角形という図形から切り離し、

  

と定義しても構わないんだケロ。


そして、sinxの連続性や、微分可能性、積分可能性の根拠には、一様収束性があるということになる。


まっ、そういうこった。
タグ:数列 級数 極限
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