漸近線 [ネコ騙し数学]
漸近線
漸近線とは、原点から十分離れたところで、その曲線に接することなく、その曲線が近づく直線のこと。
こういう定義は、数学的じゃないにゃ。ということで、もう少し厳密に定義するケロ。曲線y=f(x)上の点Pから直線lにおろした垂線の足をHとする。のとき、が無限小であれば直線lはを漸近線という。
たとえば、
という曲線があるとする。
この曲線のグラフを見ればわかるけれど、xが大きくなれば、この曲線はどんどんy=xという直線に近づいてゆく。だから、y=xはこの曲線の漸近線となる。
また、x=0も漸近線になっている。
なぜならば、
で、x=0という直線に近づいてゆき、そして、曲線上のyの絶対値は限りなく大きくなってゆくから。
一般に、点と直線ax+by+c=0との距離dは
で与えられる。
直線の方程式がy=ax+bのときは
となる。
ということで、曲線y=f(x)上の点と直線y=ax+bとの距離は
となる。
y=ax+bがy=f(x)の漸近線であるならば、|x|→±∞のときd→0にならなければならないので、
となり、①が成立するときd→0なので、逆も成り立つ。
じゃ〜、どうやってこのaとbを見つけるか。、
①から
となり、
また、①から
となる。
だ・か・ら、
y=ax+bがy=f(x)の漸近線であるとき
となるので、これを使って求めれば良い。
ここで、注意することは、y=x+1/xの場合、x=0も漸近線だったにゃ。上の方法ではx=cという漸近線は求められない。x=cが漸近線になるときは、y=x+1/xのように
とかになるにゃ。つまり、x=cはf(x)の不連続点だケロ。
なのだけれど、y=x+1/xのようなタイプは、x→±∞のとき1/x→0となり、y→xになるのがすぐにわかるので、aやbをわざわざ求める必要はないケロ。
では、問題を。
問題1 関数について次の問いに答えよ。
(1)yの極大、極小値を求めよ。
(2)yの漸近線を求めよ。
【解】
(1)
になるので、x=2のとき極小で極小値は0、x=4のとき極大で極大値は4。
(2)
だから、x→±∞のとき1/(x-3)→0なので、x→±∞のときy→x–1。よって、y=x–1は漸近線。
さらに、x=3も漸近線。
こんなのは、厳密でないという人には、
よって、y=x–1は漸近線。
問題2 次の曲線の概形をかき、さらに、漸近線を求めよ。
【解】
なので、yは単調増加で、x<0で下に凸、x>0で上に凸。つまり、x=0は変曲点。
そして、このグラフは次のようになる。
さらに、
なので、y=0とy=1が漸近線。
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