第14回 二次関数の基本変形とそのグラフ [ネコ騙し数学]
第14回 二次関数の基本変形とそのグラフ
前回、y=f(x)という関数をx軸の正の向きにp、y軸の正の向きにqだけ平行移動させると、
になるということを話した。
そして、y=f(x)=ax²という2次関数があれば、
になり、この放物線の(対称)軸はx=pで頂点は(p,q)となる。
では、本題!!
という2次関数があるとする。
これを次のように変形する。
このような変形を二次関数の基本変形と言うにゃ。
結果だけを書くと、
となり、このことから、2次関数y=ax²+bx+cは、軸を、頂点をとする放物線であることが分かる。
そして、これはy=ax²を平行移動したものだケロ。
また、このことから、
a>0のときで最小となり、最小値がとなる。
何故ならば、だから、すべてのxについて
となるからだにゃ。
同様に、
a<0のとき、で最大となり、最大値はとなる。
抽象的な話だと分かりづらいと思うので、次の問題を解いてみるにゃ。
問題 次の2次関数の頂点の座標と軸の方程式を求め、グラフをかけ。
【解】
(1) y=x²−3x+2を基本変形するケロ。
a=1、b=−3、c=2として①を使ってもいいけれど、公式なんて覚えるもんじゃないにゃ。
(2) y=x²+2x+1=(x+1)²だから、頂点は(−1,0)で軸の方程式はx=−1となる。
(3) y=−2x²−4x+1を基本変形する。
よって、頂点は(−1,3)で軸の方程式はx=−1である。
このグラフを見ると、a>0のときに軸のところで最小値に、そして、a<0のとき軸のところで最大値になることがわかると思うにゃ。
これは、基本変形すると、y=(x−2)²+1になるので、頂点は(2,1)だにゃ。そして、y≧1だから、x軸(y=0)と交わることはない。
これは何を意味しているかというと、
を満たす実数xは存在しないということ。x軸、つまり、y=0とy=x²−4x+5と交わらないからね〜。
このことは、上の2次方程式の判別式を計算してみれば分かる。
となり、この2次方程式を満たすxは虚根で、実根ではない。
判別式が出たので、
をじっと見つめるにゃ。
だから、①式は次のように書き換えることができる。
a>0のとき、で最小で、最小値はだケロ。
だから、D>0のとき、最小値はマイナスとなり、必ずこの曲線はx軸と2点で交わる。D=0のときは、最小値は0となり、この曲線はでx軸と接する。そして、重根になる。
D<0のとき、最小値はプラスだから、x軸と曲線が交わることは絶対にない。そして、この時、xの値に限らず、y>0となる。a<0のときは、グラフをひっくり返せばいいケロ(^^ゞ
ということで、結果をまとめると次のようになる。
2次関数y=ax²+bx+c
(1) 基本変形
(2) 軸の方程式と頂点
(3) 最大・最小
(4) x軸との共有点
判別式をD=b²−4acとすると、D>0ならば共有点(交点)は2つ。D=0のとき共有点(接点)は1つ。D<0のと共有点は無し。a>0のとき、D<0ならば恒等的にy=ax²+bx+c>0である。これの逆、a>0のとき、恒等的にy=ax²+bx+c>0であるならばD<0も成り立つ。
まとめとして書いてあるけれど、(4)以外は絶対に覚えてはいけないにゃ。死んでも覚えてはいけない。
頭の中、または、紙の上でx軸とy軸をかいて、放物線をえがく。そして、頂点を動かして、頂点とx軸との位置関係を考えれば、(1)〜(4)はすぐに出てくるにゃ。
だから、絶対に覚えてはいけない。
何で覚えてはいけないかって?
覚えると忘れるからだにゃ。覚えなければ、絶対に忘れることはない!!
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