第0回 数と式 [ネコ騙し数学]
第0回 数と式
実数の性質として次のようなものがあるにゃ。これくらいは知っていないと困るにゃ。
1 演算の基本法則
交換法則 a+b=b+a, ab=ba結合法則 (a+b)+c=a+(b+c), (ab)c=a(bc)
分配法則 a(b+c)=ab+ac2 絶対値
3 平方根の2乗
4 平方根の計算
a>0、b>0のとき
上であげたものの中で要注意なのは3の「平方根の2乗」だケロ。
注意しないと、なんて間違いをするケロ。
何故、これが間違っているかというと、a=−1のとき
となり、
でなくなるにゃ。
⑨が成り立つのは、a≧0の時だにゃ。
問題1 次の関数の値の範囲(値域)を求めよ。
【解(?)】
「こんな問題、相加平均≧相乗平均を使えば、ちょろいケロ!!」と考え、
よって、x=±1のとき、最小で最小値は2。
だから、y≧2!!
お陀仏だにゃ。どこが間違っているか、分かるケロか?
この関数のグラフを書くと次のようになり、最小値は存在しないにゃ。相加平均≧相乗平均の公式は
だにゃ。
aやbが負数のとき、この公式は成り立たない。
だから、相加平均≧相乗平均を使うのであれば、よって、
としなければいけない。
そして、等号が成立するとき、
になるので、
となり、
x=−1のときy=−2、x=1のときy=2となり、・・・
結構、面倒なんだケロ。
前回の問題でx>0という制限が入っていたのは、このため。
で、
とすると、
となり、この関数が奇関数、つまり、原点に関して対称であることが分かるにゃ。
x>0のときは、
は成立するにゃ。
そして、この関数が奇関数、つまり、原点に関して対称であることを使うと、x<0のとき、y≦−2となることが分かる。
問題2 次の式を満足するxの存在する範囲を数直線上に図示せよ。
【解】
(1) x−a≧0のとき、
|x−a|=x−a<2x<a+2
x−a<0のとき|x−a|=−(x−a)=a−x<2
x>a−2
よって、a−2<x<a+2これを図示すると
白丸のところは含まないケロよ。
(2)の答えは、x≦a−2、または、x≧a+2。
この図くらいは自分で書くべきだケロ。ずっと前に「|x−a|は数直線上の点xと点aの2点間の距離だ」という話をしたにゃ。このことを知っていれば、この問題は簡単に解けるはずだにゃ。
まっ、そういうことで。
タグ:中学数学
2016-04-28 19:35
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