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ベクトル関数の偏微分 [ネコ騙し数学]

ベクトル関数の偏微分

 

ベクトルAが2つのスカラーの関数、すなわち、A=A(u,v)であるとする。

2変数のベクトル関数A(u,v)の偏導関数を

  vec-hen-siki-001.png

で定義する。

A(u,v)x成分、y成分、z成分をとすると、

  vec-hen-siki-002.png

である。

 

問 ベクトル関数の偏導関数を求めよ。

【解】

Ax成分、y成分、z成分をとすると、

  

だから、

  vec-hen-siki-003.png

したがって、

  vec-hen-siki-004.png

(解答終)

 

なんとも見づらいので、ベクトル表示で次のようにしたほうがいいのだろう。

  

 

uvの微小変化ΔuΔvに対して

  

になるとすれば、ΔuΔvdudvであらわし、

  

A全微分という。

そして、uvtの関数、すなわち、u=u(t)v=v(t)のとき、実関数のときと同様にチェーンルールが成立し

  

である。

また、uvstの関数、すなわち、u=u(s,t)v=v(s,t)のとき

  

である。

 

曲面の方程式は、スカラー変数、uvを用いれば、

  

であるから、曲面上の任意の点P(x,y,z)の位置ベクトルをとすれば、曲面は

  

で表される。これを曲面のベクトル方程式という。

vを一定としuを変化させれば、rは曲面上の曲線をあらわす。これをu曲線という。また、uを一定にしvを変化させれば、rは曲面上の曲線をあらわす。これをv曲線という。偏微分係数の定義よりあきらかなように、u曲線の接線ベクトルであり、v曲線の接線ベクトルである。

また、uvが変数tの関数であるときには、は曲面上の曲線をあらわす。曲面上の点Pにおける接線ベクトルは

  

したがって、Pを通る曲面上の曲線の接線は、が定める平面上にある。この平面を点Pにおける接平面といい、Pを通り接平面に垂直な直線を法線、Pを始点とし接平面に垂直なベクトルを法線ベクトルという。したがって、

  

は法線ベクトルである。

 

問2 曲面z=1–x²–2y の点(1,1,−2)における接平面を求めよ。

【解】

x=uy=vとおくと、z=1–u²–2v。よって、曲面上の点の位置ベクトルは

  

だから、

  

法線ベクトルn

  

(1,1,−2)のときu=x=1v=y=1だから、(1,1,−2)における法線ベクトルn

  

したがって、曲面z=1–x²–2y の点(1,1,−2)における接平面の方程式は

  

(解答終了)

 

曲面z=f(x,y)上の点P(x₀,y₀,z₀)における接平面の方程式は

  

である。

これを使うのならば、

  

となるので、接平面の方程式は

  

 


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