第25回 面積分の計算 [ネコ騙し数学]
第25回 面積分の計算
簡単な問題を実際に解くことによって、面積分の計算の仕方を説明するにゃ。
問題1 平面2x+2y+z=2が座標軸と交わる3点A、B、Cを結ぶ線分で囲まれた三角形をSとするとき、
f=x²+2y+z–1のS上の面積分を求めよ。【解】
f(x,y,z)のS上の面積分は
で与えられる。
平面の方程式は2x+2y+z=2だからz=2–2x–2y。となり、dS=3dxdy。
また、S上では
なので、
となる。
ここで、Dは曲面Sに対応するxy平面上の領域で D={(x,y)|0≦x≦1,0≦y≦1–x}
問題2 曲面Sは問題1と同じで、原点はその負側にあるとする。ベクトル関数A=yi+zjのS上の面積分を求めよ。
【解】
(解法1)
S上の点の位置ベクトルをr=(x,y,z)とすると、AのS上の面積分
で与えられる。
平面の方程式は2x+2y+z=2だからz=2–2x–2y。だから、曲面S上ではr=(x,y,–2x–2y)となり、
で、S上では
となる。
よって、で、
よって、
最後の積分は、真面目に展開して計算してもよし、t=1–xとおいて置換積分
を使ってもいいにゃ。
(解法2)
φ=2x+2y+z=2とする。これはφの法線ベクトル。
だから、
だから、
となる。
S上では
問題1より、dS=3dxdy。
後の計算は、解法1と同じ。
問題3
を求めよ。だたしSはx²+y²+z²=a²のz≧0の部分で、nの方向は球面の内部から外部へ向かう方向とする。
【解】ベクトル関数Aが
の時、
となる。
だから、問題の積分のベクトル関数は
で、曲面Sはx²+y²+z²=a²、z≧0だから
よって
また、
よって
ここで、x=rcosθ、y=rsinθとおき、2重積分の変数変換をすると
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