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ベクトル解析の番外編 方向余弦 [ネコ騙し数学]

ベクトル解析の番外編 方向余弦


原点を始点とし点Aを終点とするベクトルを考えるケロ。

  

さらに、x軸、y軸、z軸とのなす角をαβγとする。

で、

  

方向余弦と呼ぶ。

ちなみに、分母は線分OAの長さ。

三平方の定理から

  

となる。

また、

  

となるので、方向余弦には

  

という関係がある。

ベクトルの大きさと方向余弦を使って

  

とあらわすことができる。


問題1 A(1,2,1)のとき、の方向余弦を求めよ。

【解】

  

よって、方向余弦は

  

になる。

問題2 点Aの位置ベクトルは、x軸とπ/4y軸とπ/3z軸とπ/6の角をなし、大きさは6である。Aの座標を求めよ。

【解】

  



これで終わるのはさすがに気が引けるにゃ。

ということで、ベクトルの3重積というものを少し話すにゃ。

ベクトルの3重積というのは、たとえば、

  a(b×c)


  a×(b×c)

というもの。

後ろのa×(b×c)ベクトル3重積と呼ばれる。a×(b×c)は結合法則、つまり、(a×b)×cは成り立たないケロよ。で、これは次のようになる。

  a×(b×c)=b(ac)−c(ab)

これは理屈ではなく、ひたすら機械的に外積の計算をすると、こうなる。

そして、これを知っていると、ハミルトン演算子∇

  

とあたかもベクトルのようにみなし、a=∇b=∇とすると

  ∇×(∇×c)=∇(∇c)−c(∇・∇)=∇(∇c)−(∇・∇)c

というベクトルの公式を導けるのであった。

また、a(b×c)はスカラーになるのでスカラー3重積という。
これは

  

になるという話はした。
で、特にこれを[abc]といったふうに書くことがある。これをグラスマンの記号という。

行列式の勉強をすると分かるのだけれど、[abc]=[bca]=[cab]という関係があるのであった。



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