数値積分 台形公式、中点公式とシンプソンの公式の導出と誤差 [ネコ騙し数学]
数値積分 台形公式、中点公式とシンプソンの公式の導出と誤差
次の定積分を考える。
これは、x=t+aと変数の変換を行えば、dx=dtでかつ、x=aにはt=0、x=a+hにはt=hが対応するので、
になる。
関数f(x)が何度でも微分可能、つまり、級であるとき、f(a+t)は次のようにテーラー展開することが可能。
あるいは、
(2)を(1)に代入すると
総和記号Σの中は
したがって、
ここで、
と前進差分を使うと、
a+h=bと置けば
したがって、
と、それを台形で近似した
との誤差は程度ということになる。
そして、この結果を用いて、
という台形公式の誤差の限界公式を導くことができる。
より厳密な議論は、たとえば、ねこ騙し数学の次などを見て欲しい。
台形公式の精度を求める問題
積分区間[a,a+h]の中点をcとし、x=t+cという変換をすると、dx=dtで、x=aにはt=−h/2、x=a+hにはt=h/2が対応するので、
f(c+t)をテーラー展開すると
(4)に(5)を代入すると、nが奇数のとき
nが偶数のとき
になるので、
になる。
a+h=bとおくと、だから、
そして、
と近似する方法を中点公式と呼ばれる。
上の議論から、中点公式の誤差は
程度で、誤差のオーダーはh³である。
[a,b]でf(x)>0のとき,
は長方形DEFGの面積。
また、
として、(6)式に代入すると、
これから、シンプソンの公式の誤差が
程度で、シンプソンの公式の誤差がh⁵のオーダーであることが分かる。
シンプソンの公式は
で、(8)式と
とでは、右辺の分母が3と6と異なっているが、これは(8)式ではb−a=2hとしているのに対して、(9)式ではb−a=hとしていることに由来する。
(9)式の形で(8)式を書きなおすとき、hを2hに変えれば良いので、次のようになる。