微分方程式の解法のまとめ3の気持ち悪さの解消2 [ネコ騙し数学]
微分方程式の解法のまとめ3の気持ち悪さの解消2
問題1 次の微分方程式の特殊解を求めよ。
前回、演算子Dを用いた解法では、この問題の特殊解y₀は、
から
と得ることができ、そして、この計算法の違いから
と
の2つもので出てくるという話をした。
しかし、このままでは、やはり、まだ気持ち悪いので、演算子Dを用いない、ロンスキアンWを用いた解法でこの特殊解を求めてみることにする。
【ロンスキアンを用いた解法】
(1)式の右辺=0とした同次方程式の特性方程式φ(r)=0は
となるので、同次方程式の基本解。
したがって、このロンスキアンWは
となる。
2階非同次線形微分方程式
の特殊解の1つは
で与えられるので、
(解答終)
また、は
と部分分数に分解できるので、
となる。
このように計算すれば、この計算法がロンスキアンを用いて特殊解を求める方法と同じものになることがわかる。
だから、禍根を残さないように、微分方程式(1)の特殊解は
を選択するべきであった。
こうなるように問題を解けば、「(1)の特殊解を求め方によって特殊解が異なる」ということを表面化させることなく、そして、「なぜ、計算の仕方によって、(1)の特殊解が異なるのですか」という問題を永遠に闇に葬り去ることができにちがいない(^^)
【補足】
ちなみに、微分方程式(1)の両辺をxで2回微分すると、次の微分方程式が得られる。
この微分方程式の特性方程式は
よって、この微分方程式の基本解はとなるので、(2)の一般解は
あるいは、とおくと、(2)は
この一般解は
となるので、これから
微分方程式(1)の基本解はだから、C₁=C₂=0としたが(1)の特殊解であるとすると、
これが任意のxについて成立するので、
したがって、
今回の騒動の原因となった元凶の微分方程式は
だ。
になることに注目し、(3)の両辺に(D−1)²をかけると、
したがって、この特性方程式は
よって、(3’)の基本解はである。
何か、気づきませんか?