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第8回 無限級数5 [ネコ騙し数学]

第8回 無限級数5



問題1

数列について、であり、すべてのnに対して、のときは、この数列は収束する。

この定理は使っていいものとして、次の問いに答えよ。

(1) rは一定の数で、0<r<1とする。すべてのnに対してが成り立つとき、無限級数
  
は収束することを示せ。

(2) n²>n(n−1)であることをつかって、次の級数が収束することを示せ。

  

【解】

(1) だから、

よって、とおくと、

  smk-05-01.png

また、0<r<1だから

  

よって、

  

は単調増加で、すべてのnに対してだから収束する。


(2) n²>n(n−1)だから、n≧2に対して

  

したがって、
  smk-05-02.png  

とおくと、1/n²>0だから、数列は単調増加数列で、かつ、すべてのnに対してだから、この無限級数は収束する。

(解答終了)

 


問題2 級数は収束する。このことを使って、級数が収束することを示せ。

また、級数の和をそれぞれSTとするとき、STの間の関係式を求めよ。

【解】
  smk-05-03.png

とおく。

  smk-05-04.png

数列は収束するので、①より

  

となり、は収束する。

したがって、

  

である。

【解】


①から、

  

としてはいけない。

が収束することTに収束することがわかっていないから。


問題1の

数列について、であり、すべてのnに対して、のときは、この数列は収束する。


という定理を使っていいのならば、次のように証明することもできる。

すべての正の整数kについてk²(k+1)>k²だから
  msk-05-10.png

また、だからは単調増加で、すべてのnに対してだから、上記の定理より収束する


なお、問題1の(2)は積分を使うと、次のように証明できる。

k≧2とする。

x∈[k−1,k]のとき

  msk-05-07.png

よって、

  msk-05-08.png

この両辺に1を加えると、

  

・・・

 


問題3 次の条件を満たす数列は収束するか。

msk-05-11.png

【解】

(1)

  


(2)

  

よって、
  msk-05-09.png

よって、は収束しない、振動する。

(解答終了)


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