第11回 正規分布3 [ネコ騙し数学]
第11回 正規分布3
にしたがう二項分布B(n,p)の平均m、標準偏差σは
である。
したがって、nが大きいとき、二項分布B(n,p)は、平均np、標準偏差の正規分布と近似することができる(右図参照)。
問1 1個のさいころを480回振るとき、1の目が出る回数が75回以上、90回以下である確率を求めよ。
【解】1の目が出る回数をXとすると、Xは二項分布にしたがう。
よって、平均値m、標準偏差σは
n=480とnは大きいので、二項分布は正規分布とみなすことができる。
とおくと、Zは標準正規分布N(0,1)にしたがう。
したがって、求める確率は
(解答終了)
問2 次の問いに答えよ。
(1) 中学1年生のツベルクリン反応陰性者の比率は13%であるという。中学1年生から無作為に300人を抽出して調べたとき、その中に30人以上50人以下の陰性者のいる確率を求めよ。(2) ある伝染病の死亡率は20%であるという。100人の患者のうちに30人以上の死亡者の出る確率を求めよ。
【解】(1) 陰性患者の数をXとし、Xは二項分布B(300,0.13)にしたがうものと考えると、
nが大きいとき、B(300,0.13)は正規分布N(39,5.8²)とみなすことができる。
とおくと、これは標準正規分布N(0,1)にしたがう。
よって、
したがって、約91%
(2) 伝染病の死亡者数をXとし、Xは二項分布B(100,0.2)にしたがうものと考えると、
nが大きいとき、二項分布B(100,0.2)は正規分布N(20,4²)とみなせる。
そこで、
とすると、Zは標準正規分布B(0,1)にしたがう。
よって
(解答終了)
ちなみに、二項分布B(100,0.2)と正規分布N(20,4²)は以下の通り。
両者がよく一致していることがわかると思う。
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