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第20回 三角形の2辺の和と差 [ネコ騙し数学]

第20回 三角形の2辺の和と差


定理

三角形において

(1) 2辺の和は第3辺よりも大きい。

(2) 2辺の差は第3辺よりも小さい。

【証明】
(1) BAの延長上にAC=ADとなる点Dをとる。

2hen-01.jpg

  BA+AD=AB+AC=BD  ①

三角形ACDAC=AD
二等辺三角形だから

  ∠BDC=∠ACD

よって、

  ∠D=∠ACD<∠BCA+∠ACD∠BCD

第19回の定理Aより

  BD>BC  ②

①と②より

  AB+AC>BC

よって、
三角形の2辺の長さの和は、残りの他の1辺の長さよりも大きい

(証明終わり)

(2)

  

②より、b−c<a、③よりc−b<a

よって、

  

同様に、

  

(証明終わり)


中学・高校で習ったこの大定理が証明されたにゃ。


問題1 

4角形ABCDにおいて、ABCDの中点をそれぞれEFとすれば、

  

であることを証明せよ。

2hen-03.jpg

【解】
AEを直線で結び、その中点をMとする。

中点連結定理より

  

(1) EMFが同一線上にないとき、定理から

  

(2) EMFが同一直線上にあるとき、

  

よって、

  

(証明終わり)

 


問題2 
△ABC
内の任意の1点をPとすれば

  AB+AC>PB+PC

であることを証明せよ。

2hen-02.jpg

【解】

BPの延長とACの交点をDとする。

ABDに注目すると

  

PCDに注目すると

  

①と②の辺々を足すと

  

(証明終わり)

問題3 

ABCにおいて、辺BCの中点をDとするとき、次のことを証明せよ。

(1) AB+AC>2AD

(2) AB>ACならば∠BAD<∠CAD


2hen-04.jpg

【証明】

(1) ADを2倍に延長したものをAEとする。

対角線をそれぞれが2等分するので、四角形ABECは平行四辺形。

よって、BE=AC

ABEに注目。


(2) より∠CAD=∠BEA(錯角相等)。

また、BE=ACだからAB>BE

ABEに注目。

AB>BEだから

  

(証明終わり)

 


タグ:初等幾何

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