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第18回 陰関数の種々の計算問題 [ネコ騙し数学]

第18回 陰関数の種々の計算問題

 

問題1 次の関係式が定めるxの関数yの第1次導関数、第2次導関数を求めよ。

  

【解】

(1) x²+y²=1の両辺をxで微分すると、

  

y≠0のとき

  tahen-dai18-siki-001.png

 

(2) の両辺をxで微分すると、

  

のとき、つまり、x+y≠0のとき、

  tahen-dai18-siki-002.png

(解答終)

 

 

sessen-graph-001.png問題2 曲線x²+xy+y²=3の点(1,1)における接線を求めよ。

【解】

x²+xy+y²=3の両辺をxで微分すると、

  

よって、x+2y≠0ならば、

  

(x,y)=(1,1)を代入すると、

  

したがって、接線の方程式は

  

(解答終)

 

f(x,y)級の関数とし、点(x₀,y₀)を曲線f(x,y)=0上の点、そして、またはであるとする。

いま仮にとすると、陰関数定理より、点x₀の近傍内にある曲線の部分は、f(x,y)=0で定まるただ1つの陰関数y=φ(x)で表される。

このとき、

  

が成立するので、接線の方程式は

  tahen-dai18-siki-003.png

であり、曲線上の点(x₀,y₀)における曲線f(x,y)=0の接線はただ1本である。

この結果を用いるならば、問題2は次のように解くこともできる。

 

【別解】

f(x,y)=x²+xy+y²–3=0とすると、

  tahen-dai18-siki-004.png

f(x,y)の点(1,1)における偏微分係数だから、曲線f(x,y)=0の曲線上の点(1,1)における接線の方程式は、(1)より、

  

(別解終)

 

 

x^2-xy+y^2=3_graph.png問題3 次の関係式で定められる陰関数yの極値を求めよ。

  

【解】

x²–xy+y²=3の両辺をxで微分すると、

  tahen-dai18-siki-005.png

よって、y'=0になるのはy=2xのとき。

これをx²–xy+y²=3に代入すると、

  

よって、yの陰関数の極値になる点は(x,y)=(1,2)(−1,−2)

極値の判定をするために、①の両辺をxで微分すると、

  tahen-dai18-siki-006.png

極値を取る点ではy'=0だから、

  

したがって、

(x,y)=(1,2)のときy''=−2/3<0となり、このとき極大、

(x,y)=(−1,−2)のとき、y''=2/3>0となり、このとき極小。

以上のことより、x=1のときyは極大で極大値は2x=−1のときyは極小で極小値は−2である。

(解答終)

 

【別解】

xに関する2次方程式x²–yx+y²–3=0xの解は実数でなければならないから、2次方程式の判別式をDとすると、

  

でなければならない。

y=−2のとき

  

y=2のとき

  

よって、

x=−1のときyは極小で極小値は−2

x=1のときyは極大で極大値は2

(別解終了)

 

2次方程式の判別式を使わず、その元となる平方完成を用いると、

【別解2】

  

よって、

x=−1のときyは極小で極小値は−2

x=1のときyは極大で極大値は2

(別解終了)


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