第21回 平面曲線 [ネコ騙し数学]
第21回 平面曲線
§1 通常点と特異点
関数f(x,y)をC¹級の関数とし、(x₀,y₀)を曲線f(x,y)=0上の点とする。とが同時に0にならないとき(x₀,y₀)を通常点(正則点)といい、となるとき特異点という。
(x₀,y₀)が通常点のとき、ならばx₀の近傍内にある曲線の一部はy=φ(x)、ならばx=φ(x)で表される。通常点(x₀,y₀)では接線がただ1つ存在し、その方程式は
である。
例1 f(x,y)=x²+y²–a²= 0(a>0)とすると。
したがって、になるのは(x₀,y₀)=(0,0)であるが、(0,0)は曲線上の点ではないので、曲線f(x,y)=x²+y²–1= 0は特異点を持たず、通常点のみである。
また、曲線(原点を中心とする半径aの円)上の点(x₀,y₀)における接線の方程式は
例2 f(x,y)=y³–x⁴=0とすると、。したがって、(0,0)は特異点。
この曲線は と同一の曲線なので、
となり、φ'(0)=0で、この曲線はx=0でx軸と接している。
例3 f(x,y)=y²–2x²y+x⁴–x⁵= 0とすると、
したがって、(0,0)は特異点である。
y²–2x²y+x⁴–x⁵= 0をyについて解くと、になるので、
したがって、x=0での微分係数は0となり、この曲線はx軸に接している。
この曲線の特異点(0,0)のような特異点を嘴点と呼ぶ
。
§2 特異点の分類
f(x,y)をC²級の関数とし、(x₀,y₀)を曲線f(x,y)=0の特異点とする。が同時に0にならないとき、(x₀,y₀)を2重点という。
とおくと、2重点は次のように分類できる。
(1) D>0ならば結節点で、(x₀,y₀)で相異なる2本の接線が引ける
(2) D=0ならば通常は尖点で、(x₀,y₀)における接線は1本である。
(3) D<0ならば孤立点で、その近傍内にある曲線の部分は(x₀,y₀)だけである。
例2、例3の特異点は、D=0になるので、尖点である。
問題 曲線y²=x²(x+a)の特異点を調べよ。
【解】
f(x,y)=y²–x²(x+a)とおくと、
を解くと、
になる。
a≠0のとき
したがって、特異点は(0,0)のみである。
特異点の判別をするために、f(x,y)の2次偏導関数を求めると、
したがって、
だから、
a>0のときは結節点、
a=0のときは尖点、
a<0のときは孤立点
(解答終了)
参考までに、a=3、a=−3のときの、曲線y²=x²(x+a)の概形を以下に示す。
ラッセルのパラドックス [ネコ騙し数学]
ラッセルのパラドックス
問題
は集合でないことを示せ。
【解】
を集合と仮定する。
A∈Aとすると、A∉Aになって矛盾する。
A∉Aでないとすると、集合の条件A∉Aをみたすので、A∈Aとなって矛盾する。
つまり、
だケロ。
これは、を集合と仮定したから、このような矛盾が生じた。
したがって、
は集合ではない。
(解答終)
を集合と認めると、ラッセルのパラドックスになってしまう。
このパラドックス回避のためには、こんなものを集合と認めちゃ〜いけねえ。認めなければ、パラドックスにはならない。
つ・ま・り、
何でもかんでも、ものの集まりを集合としちゃ〜いけねぇ
というわけ。