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3次関数と変曲点 [ネコ騙し数学]

3次関数と変曲点



問題1 f(x)=x³+3x²−4x−6とするとき、関数y=f(x−a)+bのグラフの変曲点が原点に一致するようにabの値を定めよ。

【解】

   

f''(x)=0となる点を求めるとx=−1。そして、この前後でf''(x)の符号が負から正に変わるので、(−1,0)は変曲点。

(−1,0)を原点(0,0)と一致させるためには、x軸の正の方向に1だけ移動させれば良いので、a=1b=0である。

graph-225.png

(解答終了)

f(x)=x³+3x²−4x−6x軸の正方向に1平行移動させた関数をg(x)とすると、

  

になる。

そして、g(x)

  

になるので、g(x)は奇関数、つまり、原点に関して対称である。

  

だから、O=(0,0)はこの関数の変曲点である。

y=f(x)の変曲点が原点になるように変換、平行移動したのだから、これは当たり前。

そして、このことから、y=f(x)がその変曲点(−1,0)に関して対称であることが分かる。

さて、このことが一般の3次関数y=f(x)=ax³+bx²+cx+da≠0)について言えるのか、つまり、3次関数は変曲点に関して対称なのか、このことを確かめたい。



問題2 3次関数y=f(x)のグラフはただ1つの変曲点をもち、その変曲点に関して対称であることを証明せよ。

【解】

graph-226.png

  teisei-03-001.png

f''(x)=0を解くと

  teisei-03-002.png

であり、x=αの前後でf''(x)の符号が変化するからA(α,f(α))は変曲点である。

そして、この点以外でf''(x)の符号が変わることはないから、3次関数の変曲点はAただ一つである。


Aが原点に来るように座標軸を平行移動すると、新座標軸XAYに関して曲線の方程式は

  

となる。

  

ここで、

  

とおくと、

  

よって、曲線Y=F(X)は原点に関して対称。

したがって、y=f(x)は変曲点Aに関して対称である。

(証明終わり)

3次関数のグラフは変曲点に関して対称であることが証明された。



問題3 3次関数f(x)=x³+3ax²+3bx+cx=αのとき極大、x=βのとき極小になるとき、

(1) f(α)+f(β)abcであらわせ。

(2) y=f(x)の極大になる点、極小になる点をそれぞれABとすれば、線分ABの中点Mはこの曲線上にあることを証明せよ。


graph-227.png

【解】

(1)

  

αβf'(x)=0の解だから、2次方程式の解と係数の関係より

  

よって、

  

したがって、

  


(2) ABの中点をM(p,q)とすると、

  

f(−a)を計算すると、

  

よって、ABの中点Mは曲線y=f(x)上にある。

(解答終了)


この関数の変曲点を求めると、

  

より、変曲点のx座標はx=−aとなる。

つまり、変曲点は、上で求めた極大点Aと極小点Bの中点である。

 



タグ:微分積分

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