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ベクトル 円の方程式 [ネコ騙し数学]

ベクトル 円の方程式


を中心とする半径rの円のベクトルを用いた方程式は

  

になる。ここでは円Cの円周上の点。

vec-en-02.png

円の中心Cが原点の時は

  

となる。


ベクトルの円の方程式の計算では内積の知識が必須なので、ベクトルの内積の復習。

ベクトルの内積は、ベクトルの大きさを、さらにのなす角度をθとすると

  

である。

また、内積を

  

とも表記する。

この定義から、

  

であり、のとき

  

である。

vec-en-01.png

次に、内積の幾何学的な意味について考えることにする。

始点をOとするという2つのベクトルがあるとする。

BからOAにおろした垂線の足をB'とすると、

  

よって、

  

になる。

つまり、内積は、OAと、OBOA上への正射影OB'との積と考えることができる。


ベクトルの内積については次のことが成り立つ。

  


これを見るとわかるけれど、内積は実数同士の掛け算の自然な延長になっている。
だから、普通の実数同士の掛け算のように計算をしてよい。


これで準備は整った。

問題を解いてみることにする。

問題1 Oを原点とする平面上で、ABCを定点、Pを動点とし、その位置ベクトルを

  

とする。また、rを正の定数とするとき、次の条件を満たすPの軌跡は何か。

  

【解】

(1)
  

よって、

  

となり、Pの軌跡はCを中心とする半径rの円周である。

(2)
  

これは

  


  AP⊥BP

のいずれかで、

  P=AP=B、∠APB=90°

のどちらかであり、Pの軌跡はABを直径とする円周である。

(別解)

  vec-en-eq-01.png

よって、Pの軌跡はABの中点を中心、AB/2を半径とする円周上である。

ここで、

  

をあらわすものとする。

(解答終わり)


少し補足説明をすると、

APB=90°のとき、円周角の定理より、点PABを直径とする円周上に存在することになる。そして、A=PB=PからABも含まれ、ABを直径とする円になる。

問題2 平面上で、ABは定点、Pは動点とする。また、cを正の定数とするとき、つぎの条件を満たす点Pの軌跡を求めよ。

  

【解】

ABPの位置ベクトルをとする。

(1)
  vec-en-eq-02.png

よって、ABの中点を中心とする半径c/2の円周。


(2)

  vec-en-eq-03.png

線分ABの中点をCとすると、

  

ABの中点Cの位置ベクトルになり、

  

これは、ABの中点Cと点Pを結ぶCPABと直交しているということを意味しており、したがって、Pの軌跡はABの垂直二等分線である。

vec-en-03.png

(別解)

  

よって、Pの軌跡は線分ABの垂直二等分線としてもよい。


タグ:ベクトル

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