ベクトル 円の方程式 [ネコ騙し数学]
ベクトル 円の方程式
点を中心とする半径rの円のベクトルを用いた方程式は
円の中心Cが原点の時は
となる。
ベクトルの円の方程式の計算では内積の知識が必須なので、ベクトルの内積の復習。
ベクトルの内積は、ベクトルの大きさを、さらにのなす角度をθとすると
である。
また、内積を
とも表記する。
この定義から、
であり、のとき
である。
次に、内積の幾何学的な意味について考えることにする。
始点をOとするという2つのベクトルがあるとする。
BからOAにおろした垂線の足をB'とすると、よって、
になる。
つまり、内積は、OAと、OBのOA上への正射影OB'との積と考えることができる。
ベクトルの内積については次のことが成り立つ。
これを見るとわかるけれど、内積は実数同士の掛け算の自然な延長になっている。
だから、普通の実数同士の掛け算のように計算をしてよい。
これで準備は整った。
問題を解いてみることにする。問題1 Oを原点とする平面上で、A、B、Cを定点、Pを動点とし、その位置ベクトルを
とする。また、rを正の定数とするとき、次の条件を満たすPの軌跡は何か。
【解】
(1)
となり、Pの軌跡はCを中心とする半径rの円周である。
(2)
か
AP⊥BP
のいずれかで、P=A、P=B、∠APB=90°
のどちらかであり、Pの軌跡はABを直径とする円周である。(別解)
よって、Pの軌跡はABの中点を中心、AB/2を半径とする円周上である。
ここで、
をあらわすものとする。
(解答終わり)
少し補足説明をすると、
∠APB=90°のとき、円周角の定理より、点PはABを直径とする円周上に存在することになる。そして、A=P、B=PからA、Bも含まれ、ABを直径とする円になる。問題2 平面上で、A、Bは定点、Pは動点とする。また、cを正の定数とするとき、つぎの条件を満たす点Pの軌跡を求めよ。
【解】
A、B、Pの位置ベクトルをとする。
(1)よって、ABの中点を中心とする半径c/2の円周。
(2)
線分ABの中点をCとすると、
はABの中点Cの位置ベクトルになり、
これは、ABの中点Cと点Pを結ぶCPがABと直交しているということを意味しており、したがって、Pの軌跡はABの垂直二等分線である。
(別解)
よって、Pの軌跡は線分ABの垂直二等分線としてもよい。
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