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級数の収束の番外編 [ネコ騙し数学]

級数の収束の番外編


この級数の収束はどう証明したらいいんだろう?

  


ふっと、そんなことが頭に浮かんだ。


定理

α>1ならば

  

は収束し、α≦1ならば発散する。


この定理(?)を使えば、この級数の収束の判定はすぐにできる。


しかし、こんな定理を知らなくても、

k≧2のとき、k–1≦x≦k

  

だから

  

よって、

  

これだと1/1²が足りないので、両辺に1を足して

  

は単調増加数列で有界だから収束する。

と証明すればよい。

そして、この証明は、αに変えれば、定理(?)の証明にそのまま流用できる。


しかし、それじゃ〜つまらない。

それで、少し――数秒――考えた。

  

だから、n>1のとき

  

よって、

  

は収束する。

あるいは、k≧2のとき

  

を利用して

  

で、この両辺に1を足して

  

とすればいい。

この結果は、積分を使った証明と同じ結果じ。

これは、

  

だから。

かつて、大学入試で次のような問題が出たことがあるらしい。


問題 が収束する。このことを用いてが収束することを示せ。

また、

  

とするとき、STの間の関係を求めよ。

証明では何をどこまで使っていいのかがわからないので困ってしまうのだが・・・。


【解】

  

とする。

  

だから、

  

このn→∞極限をとると、

  

だから、

  

は収束する。

また、

  

という関係がある。



タグ:数列 級数 極限

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