定積分と不等式2 [ネコ騙し数学]
定積分と不等式2
問題1 (シュワルツの不等式)
(1) a、bは定数で、a<bとし、f(x)とg(x)はa≦x≦bで連続な関数とする。a≦x≦bなる範囲でとおくとき、
であることを証明せよ。
(2) 次の不等式(シュワルツの不等式)を証明せよ。
【解】
(1)
(2) (1)より、F'(x)はa≦x≦bでF'(x)≧0であり、また、F(a)=0。
よって、a≦x≦bでF(x)は増加関数で、(解答終了)
シュワルツの不等式
の一般の証明法は次の通り。
a<b、そして、tを任意の実数とすると任意の実数tについて①が成り立つので、
そして、問題1は、この別な証明である。
問題2 f(x)、g(x)をx≧0で定義された正の値をとる連続関数で、g(x)は連続関数であるとする。このとき、
に対して次の問に答えよ。
(1) すべてのx>0に対してである。
(2) はx>0で増加関数である。
ここで一般に増加関数であるとは、x₁<x₂ならばh(x₁)≦h(x₂)が成立することをいう。
【解】(1) 仮定によって0≦t≦xにおいてg(0)≦g(t)≦g(x)。
また、f(t)>0だから
(2)
(解答終了)
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ワンポイントゼミ22 定積分と不等式1の補足 [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ22 定積分と不等式1の補足
定積分と不等式1で出てきた内容を補足することにする。
【証明】
とし、f(x)の変化を調べるために、xで微分する。
したがって、0<x<π/2でf'(x)>0で、f(x)は単調増加。
よって、
次に
とする。
cosα=2/πとすると、g(x)の増減表は
となり、x=0、x=π/2のときに最小で、最小値は0
よって、0<x<π/2において(証明終了)
次に、
の極限を求めることにする。
と考えると、x→0+0のとき、logx→−∞、1/x→+∞となり、①の極限はいわゆる不定形の極限になる。
そこで、ロピタルの定理を使うと
になる。
問題3の(1)のグラフで
の
は、こうして求めている。
x=0のところで白抜きの丸で表現されているのは、そういうわけです。
(下図参照)タグ:微分積分