番外編 微分積分の問題を解く5 [ネコ騙し数学]
番外編 微分積分の問題を解く5
問題1 とする。
(1) f(x)が極値もつようにaの値を定め、極値m(a)を求めよ。(2) 横軸にa、縦軸にm(a)とし、このグラフをかけ。
【解】(1)
よって、a≦0のとき単調増加となり、極値はない。
a>0のとき、
となり、増減表を書くと次のようになる。
x | … | loga | … |
f'(x) | − | 0 | + |
f(x) | 減少 | 極小 a−aloga | 増加 |
よって、a>0でm(a)=a−alogaになる。
(2)
よって、0<a<1で増加、a>1で減少となり、a=1のときm(a)は極大。
極値の判定は、2階微分をつかって、
(1) f''(loga)=a>0だから極小
(2) m''(1)=−1<0だから極大としてもいいにゃ。
いやまぁ〜、だから、ほとんど明らかなのだけれど(^^)
問題2 方程式の解の個数を求めよ。ただし、aは実数とする。
【解】
x=0は解でないので、
よって、は、y=aとという連立方程式と同値。
で、を調べるために
とし、
よって、x<0で増加、0<x<1で減少、x>1で増加となり、x=1のとき極小。
y=f(x)をグラフにすると、次のようになる。
y=aと合せてグラフをかき、y=aとy=f(x)の交点を調べる。
よって、
a<0で解1個
0≦a<eで解なしa=eで解1個
a>eで解2個となる。
【別解】
とy=axの交点を調べるにゃ。
ということで、
a<0で解1個0≦a<eで解なし
a=eで解1個a>eで解2個
となる。【別解2】
問題1の結果を使うにゃ。とし、y=f(x)とx軸との交点を調べるにゃ。
a≦0ならば、f(x)は単調増加。また、f(−∞)=−∞、f(0)=1で、かつ、f(x)は連続なので、中間値の定理より、f(x)=0を満たすxが−∞<x<0の間に一つ存在する。
a>0のとき、x=logaで極小(最小)。で、極小値a(1−loga)だから、0<a<eのとき、極小値>0となり、f(x)>0となって、y=f(x)はx軸と交わらない。つまり、解はない。a=eのとき、x=1で最小となり、最小値は0だにゃ。つまり、x=1が解となり、解は1個。
a>eのとき、x=aで最小で、a(1−loga)<0。そして、f(0)=1でx<logaでは単調減少なので、中間値の定理より、0<x<logaの間に解が一つ、さらに、loga<xで単調増加でf(∞)=∞だから、loga<x<∞の間に一つ存在する。
くどくどと説明するより、次のグラフを見れば、このことがわかると思うにゃ。
問題3 関数の区間0≦x≦1における最大値が2となるようにaの値を定めよ。ただし、eは自然対数の底である。
【解】
問題1の結果を使うと、a≦eでとなる。
さらに、a≦0ならば、単調増加なのでx=1で最大となる。となるけれど、a≦0なので、これは不適。
0<a<eのとき、f(x)は0≦x<logaで減少、かつ、loga<x≦1で増加だから、最大値になりうるのはx=0かx=1。f(0)=1なので、f(1)=2とすると、
となる。これは0<a<eという条件を満たすのでよし。
a=eのとき、0≦x<logaで減少なので、f(0)=1が最大値。
a>eのとき、とすると、
となる。0≦x<αでは減少、α<x<1で増加なので、最大値2の候補はx=0とx=1だけれど、f(0)=1なので、
これは、a>eの条件を満たすので、よし。
ということで、答はa=e−2とa=e+2。