第8回 直線 [ネコ騙し数学]
第8回 直線
これまでやってきたことの復習と”まとめ”をかねて、中学数学の延長として高校数学の内容を少し含めて話をするにゃ。
1 直線の方程式
(1) 傾きa、y切片bの直線 y=ax+b(2) 点(x₀,y₀)を通り、傾きaの直線 y−y₀=a(x−x₀)
(3) 2点(x₁,y₁)、(x₂,y₂)を通る直線の方程式(4) x切片p、y切片qの直線の方程式
(4)の式ははじめて出てきたと思うんで、これだけ、説明することにする。
x切片とは、直線とx軸(y=0)の交点のx座標のこと。だから、(4)の直線は2点(0,q)、(p,0)を通る直線。(x,y)=(0,q)、(x,y)=(p,0)をに代入すれば、左辺は1になるので、これがその直線の方程式であることが分かる。
論より証拠というわけで、次の図を見れば、このことが分かるにゃ。
2 2直線の位置関係
2直線y=mx+n、y=m'x+n'について(1) 平行条件 m=m' (さらに、n=n'ならば2直線は一致)
(2) 垂直条件 mm'=−1ネムネコは、高校数学の教科書を持っていないので、教科書で(2)の垂直条件をどのように導いているかは知らない。だけれども、ベクトルを使うのならば、y=mx+nの方向ベクトル、y=m'x+n'の方向ベクトルになる。この2直線が垂直なので、この2つの方向ベクトルが垂直ということになり、ベクトルの内積を使うと、
と簡単に出てくる。
中学レベルの知識を使ってこのことを示そうと思ったけれど、これは図に頼った証明になるのでやめるにゃ。mとm'が異符号であることを無前提に使っているから、こういう証明はちょっと危ないにゃ(^^)
問題1 次の直線の方程式を求めよ。
(1) 傾きが3で点(2,−4)を通る。(2) 点(2,−5)を通りy軸に平行な直線。
(3) 2点(−5,3)、(2,−1)を結ぶ直線。(4) x切片が3、y切片が-4。
【答】
問題2 2直線y=2x+a+3、y=3x+2aが第2象限で交わるためのaの値の範囲を求めよ。
【解】2直線y=2x+a+3、y=3x+2aの交点を求める。
yを消去すると、
よって、
交点が第2象限(x<0、y>0)にあるので、
よって、3<a<9
問題3 次の直線の方程式を求めよ。
(1) 点(−1,1)を通り、直線x+3y=0に平行な直線および垂直な直線。(2) 2点(6,−2)、(−3,1)を結ぶ線分の垂直2等分線。
【解】(1)
よって、この直線に平行で点(−1,1)を通る直線は
に垂直な直線の傾きをmとすると、
よって、
(2) 欲しいのは2点(6,−2)、(−3,1)を結ぶ直線の方程式ではなく、傾きだけだケロ。ということで、傾き求める。
この線分に垂直な直線の傾きmとすると、
垂直二等分線なので、(6,−2)、(−3,1)の中点を通る。
ということで、中点求める。
よって、求める直線は