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中学数学 第3回 不等式 [ネコ騙し数学]

第3回 不等式



不等式の性質

(1) abの大小関係は、a>ba=ba<bのうちのどれか一つが成立する。

(2) a>bb>cならばa>cである。

(3) a>bならばa+c>b+cである(cは任意の実数)。

(4) a>bのとき、c>0ならばac>bcc<0ならばac<bc


これは数(実数)の公理みたいなものだから、何故、これは無条件で受け入れてもらわないと困るにゃ。


例題 a>bc>dのとき、a+c>b+dであることを証明せよ。

【証明】

a>bならばa+c>b+c

c>dならばb+c>b+d

よって、

a+c>b+cb+c>b+dならば、a+c>b+d

(証明終わり)


では、不等式の基本的性質に関する問題。


問題1 次のことは一般に成り立たない。成り立たない例(反例)をあげよ。
(1) a>cb>cならばab>c²

(2) a>0bは任意の実数のときab²>0

(3) b/a>1ならばb>aである。

【解】

大体、こういう時は、マイナスの数の掛け算(割り算)が関係しているにゃ(^^)

ということで、

(1) a=b=1c=−2

3) b=−2a=−1

(2) a=1b=0


問題2 a+b>cb+c>ac+a<bのとき、abcの間にはどの関係が成り立つか。

(1) a>b>c  (2) b>ca>c  (3) b>cb>a

(4) b>c>a  (5) b>a>c

【解】

成り立つのは(3)だけ。

a+b>cb>c+aより、

  

b+c>ab>c+aより

  

よって、(3)は成立する。

(3)以外が成り立たない反例として、a=c=0b=1を上げればいいにゃ。


問題にはないのだけれど、

a+b>cb+c>aより

  

という関係が出てくるにゃ。

問題3 次の問を答えよ。

(1) 不等式2x−8>4x+5の解のうちで、最も大きい整数を求めよ。

(2) ある数xの5倍から6を引いた数は、xの3倍に2加えた数より小さい。xはどんな範囲の数か。

【解】

(1)

  

6.5より小さい整数の最大の数は−7なので、答えは−7。

(2) 5x−6<3x+2

これを解くと、

  

よって、答えはx<4

問題4

  

を同時に満たす整数x,yの組(x,y)をすべて求めよ。

【解】

  

①より

  

これを②に代入すると、

  

①を解くと

  

②を解くと

  

よって、6<x<9

これを満たす整数xは7、8。

x=7のとき

  

x=8のとき

  

よって、題意を満たす組み合わせは(8,5)

タグ:中学数学

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