第5回 比例・反比例 [ネコ騙し数学]
第5回 比例・反比例
§比例
比例2つの変数、xとyの間に次のような関係があるとする。
このとき、yはxに(正)比例するといい、定数aを比例定数という。
これはy=3xという関係があり、yはxに比例し、比例定数a=−3となる。
になる。
aは、定数だから、当然、変化しない。もし、xとyの値によってaの値が変わるのならば、xとyは比例関係にないことになる。
y=axのグラフから明らかなように、a>0ならば右上がりの原点を通る直線となりa<0ならば右下がりの原点を通る直線となる。
問題1 yはxに比例し、x=3のときy=−6である。x=−4のとき、yの値はいくらか。
【解】y=axとすると、x=3、y=−6なので、
よって、x=−4のとき
たぶん、こう解くのが模範解答なのでしょう(^^ゞ
【別解1】
x=−4のときのyの値をyとする。xとyは比例関係にあるので、
【別解2】
小学校レベルの知識を使うならば、内項の積=外項の積だから、
どう解かなければならないということはないだろう。一番楽なのは別解1だと思うけれど、別解2で解いても構いやしない(笑)。
問題2 直線y=axが点A(1,2)と点B(3,1)を結ぶ線分ABを通るとき、aはどんな範囲の数か。
【解】こういう時こそ、グラフの出番だケロ。
この図からほとんど明らかだけれど、aが最小の時は点B(3,1)を通るときで、aが最大の時はA(1,2)を通るとき。
点Bを通るとき、点Aを通るとき
よって、
§反比例
反比例
2つの変数、xとyに次の関係があるとき、yはxに反比例するという。上の関係からxy=a=一定となるにゃ。
グラフは次のようになる。
a>0のとき、y=a/xの曲線は第1象限、第3象限にあり、a<0のときy=a/xは第2象限、第4象限にある。また、この曲線は原点について対称である。
問題3 反比例をあらわすグラフが点(1.5,8)を通るとき、このグラフ上の点(x,y)で、x、yがともに整数である者はいくつかるか。
【解】反比例なのだから
よって、
x>0で考えると、xとyが整数になるのはxが12の約数のとき。だから、x={1,2,3,4,6,12}の6個。x<0の時も同様に6個あるので、12個。
こんな問題ばかり解いていると⑨になりそうだにゃ(>_<)。
問題 x>0で定義された
という曲線があるとする。この曲線上の点Pに接する接線とy軸との交点をA、x軸との交点をBとする。
このとき、
(1) Pは線分ABの中点であることを示せ。(2) △OABの面積は点Pの位置によらず一定であることを示せ。
【解】とし、点Pのx座標をaとする。
接線の方程式は、
だから、
よって、点Aのy座標は
点Bのx座標は
(1) 線分ABの中点を求めると
で、点Pである。
(2) △OABの面積Sは
よって、Pの位置にかかわらず一定値2kである。
この問題は、ひょっとしたら微分積分の時にやったかもしれないけれど、面白い性質なんじゃ〜あるまいか。
そして、こうしたことを面白い、何故だろうなんだろうと思う感性は大切なんじゃなかろうか。