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第7回 二元一次方程式のグラフと連立一次方程式 [ネコ騙し数学]

第7回 二元一次方程式のグラフと連立一次方程式


§ 二元一次方程式のグラフ

二元一次方程式の一般形は、

  

ただし、abは同時に0でない。

a≠0b≠0のとき、①は

  

となり、傾きがy切片がの直線になる。

a=0のとき、

  

となり、x軸に平行な直線になる。

b=0のとき

  

となり、y軸と平行な直線になる。

いずれにせよ、ax+by=cを満たす(x,y)は直線の方程式になる。


(1) 5x−3y=−15

これをyについて解くと、

  

だから、傾きが5/3y切片が5の直線になる。


(2) y=5

これは、y=5x軸に平行な直線。


(3) x=2

これはx=2y軸に平行な直線。

グラフで表現すると、次のようになる。


ch-07-01.jpg

問題 直線kx−y=3kについて

(1) y切片が3であるときのkの値を求めよ。

(2) 直線y=2x+1と平行となるようなkの値を求めよ。

(3) kがいろいろな値をとるとき、この直線はある決まった点(不動点)を通る。その点の座標を求めよ。

【解】

(1) kx−y=3kx=0y=3を代入すると、

  


(2)

  

y=kx+3ky=2x+1が平行だから、傾きが等しく、k=2となる。

 


(3)

  

だ・か・ら、kの値にかかわらず、x=3y=0のとき、⑨式は0になる。よって、(3,0)


ch-07-02.jpg


§ 二元一次方程式のグラフと連立方程式の解

次の二元一次連立方程式があるとする。

  

①と②ともに直線なので、この連立方程式の解はこの2直線の交点になる。

具体的な例をだしたほうがわかりやすいので次の連立方程式を考えることにする。

  

②は①の両辺を2倍にしたものだから、この連立方程式の解はy=−2x+3という直線上のすべての点となり、解は一つに定まらない(不定)。

②が①の0以外の定数倍のときも事情は同じ。

つぎに、

  

という連立方程式を考える。

①は傾き−2y切片は3。②は傾き−2y切片は5。傾きが同じなので、①と②の直線は平行で、この②直線が交わることはない。つまり解はない(不能)。

といことで、

  

という連立方程式の解が一つであるためには、①と②が平行でないことが必要な条件になる。

このことは行列を使うとわかりやすい、この連立方程式を行列で書くと

  

となる。

で、もし

  

という行列が逆行列をもつと

  

がただひとつの解になる。

Aが逆行列をもつ条件は、

  

よって、これが二元連立一次方程式が解をもつための必要十分条件になる。

今、書いている部分の話は、中学の数学の範囲を超えているので、①と②が平行のとき、この連立方程式は解けない、ということだけを覚えて欲しい。

 ――内緒話だが、③はが平行でない必要十分条件!!――


問題2 2直線x+y=6x+ay=−6が直線y=2x上で交わるとき、aの値を求めよ。

【解】

x+y=6y=2xは、互いに平行じゃないから解を持つケロ。

だから、まずこの交点を求めるにゃ。

  

y=2xx+y=6に代入すると、

  

y=2xだから、x=2のとき、y=4になるにゃ。

この(2,4)x+ay=−6が通過するので、

  



問題3 −x+y=1x+y=3y=k(x+3)が三角形を作らないようにkの値を定めよ。

【解】

x+y=1x+y=3の交点は(1,2)。この点をy=k(x+3)が通過するとき三角形にならないケロ。

だから、

  

これだけではないケロ。

x+y=1y=k(x+3)が平行のとき、この2直線は交わらない。ということで、k=−1

同様に、x+y=3y=k(x+3)が平行のときにもこの2直線は交わらない。よって、k=1

だから、答えは

  


ch-07-03.jpg




タグ:中学数学

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