第5回 余弦定理 [ネコ騙し数学]
第5回 余弦定理
余弦定理には、第1余弦定理、第2余弦定理の2つがある。そして、一般に余弦定理と呼ばれているものは、第2余弦定理だケロ。
第1余弦定理
第2余弦定理
§1 第1余弦定理
第1余弦定理を証明するにゃ。
【証明】Aから線分BCに垂線をおろし、その垂線の足をHとする。
この時、
よって、
b、cについても同様。
(証明終わり)
なのですが、次のような∠Bが鈍角の鈍角三角形の場合もある。
このときは、
∠B=∠R(直角)のときは、
で、これは三角比の定義そのものだから成り立つ。
鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形であろうが、いずれにせよ、成り立つというわけです。
この定理は、実は、意外に使い道がない(^^ゞ
§2 第2余弦定理
【証明】
点Bから線分CAに垂線をおろし、その垂線の足をHとする。また、△CHBも直角三角形なので、
となる。
そして、三角比より
これを代入すると、
あとは、同様に・・・。
(証明終わり)
ここでも、先の第1余弦定理の証明と同じように、鋭角、直角、鈍角三角形に分けて証明しないといけないけれど、面倒なのでしないにゃ。
これは循環論法で証明になっていないという話もあるが(^^ゞ
気が向いたら、証明を付け足すにゃ。
余弦定理から三角形の三辺の長さが与えられていると、次のように角度を求めることができる。
非常に美しい式の形をしているので、この式が好きだというヒトは結構いるにゃ。
問題 △ABCにおいて、BC=4、CA=5、AB=6のとき、
(1) cosBを求めよ。
(2) sinBを求めよ。
(4) 辺AB上の点EをAE=4となるようにとったとき、CEの長さを求めよ。
【解】
(1) a=BC==4、b=CA=5、c=AB=6とすると、余弦定理より
(2) sin²B+cos²B=1だから
(3) AH=AB×sinBだから
(4) △BCEに対して余弦定理を用いると
実は、(1)、(2)は、ヒントとなるように付け足した小問なんだけれど、余弦定理の使い方がよくわかるいい問題だと思う。
(3)、(4)は、三平方の定理と2次方程式を用いれば、余弦定理を使わなくても解けることは解けるけれど、計算が大変だケロよ。